野口さん解説「ダイヤモンドでできた惑星」の実態 太陽系の外にある「系外惑星」はロマンの塊だ

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太陽系の外にある「系外惑星」は、過酷な環境の星も多いが、ロマンにあふれている(写真:Fug4s/Getty Images Plus)
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1996年宇宙飛行士候補に選出され、国際宇宙ステーション(ISS)で日本人初の船外活動を行うなどさまざまなミッションを遂行してきた野口聡一宇宙飛行士。

宇宙滞在期間は344日を超えており、2020年にはクルードラゴン宇宙船に搭乗し「3種類の宇宙帰還を果たした世界初の宇宙飛行士」として、ギネス世界記録に認定されました。

そんな野口宇宙飛行士が、「子どもも大人も知っておきたい、驚くべき宇宙の世界」について紹介した著書『宇宙飛行士だから知っている すばらしき宇宙の図鑑』から、一部抜粋・再構成してお届けします。

生命を育むことができる領域に存在する系外惑星

1995年、「ペガスス座51番星」という太陽型恒星(恒星とは、核融合反応によってエネルギーを生成して自ら輝く天体)の周りを回る、太陽系でいえば木星に似たガスを主成分とする惑星があると報告されました。これが「太陽系外惑星」、現在では系外惑星と呼ばれる太陽系以外の恒星系で見つかった初めての惑星です。

その後、観測方法の発展や系外惑星探索専用の宇宙望遠鏡などの活躍により、4000個以上の系外惑星が発見されてきました。中には、2014年に見つかった「ケプラー186f」のように、恒星との関係が生命を育むことができる領域「ハビタブルゾーン」に存在する系外惑星もあります。

地球から約500光年離れた位置に存在するこの系外惑星は、地球の1.1倍とほぼ同サイズです。ただ、ハビタブルゾーンに属してはいますが、大気の状態なども謎に包まれているので生命が必ず存在するかはわかりません。

今後の科学技術の発展によってより惑星の詳細な研究が進むことが期待されています。

ハビタブルゾーンにある恒星の周りを回る、地球サイズの惑星として初めて確認された「ケプラー186f」のイメージ図(©NASA Ames/SETI Institute/JPL-Caltech)
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