運賃高すぎ「北総線」、10月値下げで新たな動き 線路使用料契約の変更をHP上にひっそり掲載

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この、京成が北総鉄道に支払っている京成高砂―小室間の線路使用料の金額、CNRが所有する小室―印旛日本医大間の京成と北総の線路使用料の差が問題になってきた。本来、企業は他社と契約するとき、契約内容が自社に有利になるようにするのは当たり前だ。しかし、北総、CNRともに京成の子会社であることから、京成に有利な内容で契約が結ばれ、利益が京成に吸い上げられていることが北総鉄道の支出を不当に増大させ、それが高額運賃に結びついているというのが値下げ運動を展開する北実会の主張だ。

ここでは後者のCNRの線路使用料の差をみると、年間走行距離差は約1.3倍なのに、その線路使用料はおよそ約6倍もの差があるのだ(2019年度)。

CNR区間線路使用料
 京成 4億2866万円(走行距離49万km)
 北総 24億7986万円(走行距離62万km)
 走行距離は約1.3倍だが、使用料は約6倍の差

CNRは京成の100%子会社であり、親会社である京成に安く貸して、北総鉄道には不当に高く貸しているという構図だと北実会は主張してきた。

契約の詳細は明らかにされず

北総がCNRに支払う線路使用料は小室―印旛日本医大間の運賃収入相当という契約となっており、この契約をCNRの累積欠損の解消まで見直しはしないという協定(1988年)がある。これは北総がいくら収入を上げてもすべて線路使用料としてCNRに支払うということで1円も利益が上がらないという意味だ。

一方、北総の収入が著しく下がっても、その金額を支払うだけでよいということでもあり、「実質的に受益も負担も生じない仕組み」(北総鉄道)と説明されてきた。CNRは施設を保有しているだけなので、この区間の運行は北総が行い、それにかかわる費用相当額を逆に北総がCNRから受け取っている。しかしこの内容についても私企業間の契約であることを理由に明らかにされていない。

北総はCNRが施設を所有する小室―印旛日本医大区間は高額の線路使用料が原因で赤字を出していることが、東京地裁で行われた運賃認可取消訴訟(北総線運賃二次訴訟)で明らかになっている。

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