運賃高すぎ「北総線」、10月値下げで新たな動き 線路使用料契約の変更をHP上にひっそり掲載
高額運賃がたびたび話題となった千葉ニュータウンを走る北総鉄道。千葉ニュータウン開発の難航やバブル期の土地価格高騰などが高額運賃問題の背景にあるとされる。さらに北総鉄道の親会社の京成電鉄や京成の子会社の千葉ニュータウン鉄道(以下、CNR)との契約関係において北総が不利な立場にあり、それが、高額運賃が是正されない理由の1つであるとして、批判されてきた。
しかし2021年11月、同社が国土交通省に値下げのための運賃変更の届出を提出したと発表し、その内容は沿線住民を驚かせた。2022年度中に累積損失を解消できる見込みがついたというのがその理由だ。
最大で100円安くなるが…
値下げの実施は今年の10月からで、全体としては15.4%の引き下げとされるが、戦略的な運賃値下げで、普通運賃は11.6%減で最低運賃(10円単位)が210円から190円となり、最大では100円安くなるものの、メタボ運賃と言われた中距離での値下げ幅を大きくし、最短距離、最長距離は20円だけの値下げとなる。
通勤定期は13.8%の値下げとなるが、通学定期は64.7%もの下げ幅で京成高砂―千葉ニュータウン中央間(1カ月)が現行1万4350円から9500円安い4850円になると示され、京成本線並みの運賃となり、多くの人を驚かせた。勤労世帯にとって、会社負担の通勤定期と違い、通学定期は全額家計に負担がかかるからということが背景にある。
ただ、通学定期の大幅値下げはインパクトが大きいが、そのための財源はそれほど必要がないということもあるようで、最近では小田急電鉄の子ども運賃全線50円への値下げ(ICカード利用の場合)も話題となった。
しかし、依然として普通運賃、通勤定期は京成本線の約2倍の水準で、さらなる値下げを求める声も聞かれてきた。そうした中で、値下げ運動を主導する「北総線の運賃値下げを実現する会」(北実会)が5月21日に白井市文化会館で「北総線運賃とこれからのまちづくりを考えるシンポジウム」を開催した。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら