「7月の日経平均株価は上昇する」と見ていいのか 週足チャートが語る「株価の先見性」に期待する

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さて、少し長くなったが、投資家はこのNYダウの823.32ドル高という大幅反発の意味を考えなければならない。つまり、「ようやく下落相場が終わって、反転上昇相場へと移ったシグナル」なのか、それとも「弱気相場の一時的反発にすぎないのか」だ。

パウエル議長は「タカ派転換」を余儀なくされた?

振り返れば、今年のNYダウは、1月4日に3万6799.65ドルの史上最高値をつけてから下落相場となり、6月17日に2万9888.78ドルの年初来安値をつけるに至った。

この間の下げ幅は約6910ドル、下げ率は約18.78%に達した。これは新型コロナウイルス感染拡大が収束しないうちに、2月24日にロシアによるウクライナ侵攻が始まったことが大きな原因である。

だが、それと同様、あるいはマーケットにとってはそれ以上の原因ともいえるのが、FRBの金融政策の急速なタカ派転換だ。ここであらためて、FRBの姿勢を振り返ってみよう。

FRBの政策決定会合であるFOMC(連邦公開市場委員会)はここまで1月、3月、5月、6月と4回あったが、3月まで物価上昇に対する当局の認識は「一時的現象」だった。

ただ、「動物的な臭覚を持つ」ともいわれる株価のことだ。今年第1回目の会合だった1月26日は「政策維持」であったにもかかわらず、会合が終わった直後、NYダウは、それまでは上げ幅が500ドルを超していたにもかかわらず、一時は400ドル安へと激しい動きを示した。

また、2回目である3月のFOMCの結果は、0.25%の利上げと年内あと6回の利上げを予想するドットチャート(FOMCの参加者が予想する政策金利見通し水準の分布図)が示された。NYダウはFOMCの結果発表と同時に大きく売られ、マイナス圏に沈んだ。また、金利上昇を見越してドルが買われ、ドル円相場は一時1ドル=119円台となった。

ただ、その後、ジェローム・パウエルFRB議長が会見で、景気の先行きに前向きな発言をしたため、引けにかけてNYダウは再び高値に戻り、518ドル高となった。この時点ではパウエルFRB議長はハト派だったといえる。

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