「7月の日経平均株価は上昇する」と見ていいのか 週足チャートが語る「株価の先見性」に期待する
3回目終了時の5月4日には、0.5%の利上げとFRBの保有資産縮小の6月開始が決まった。このとき、パウエル議長は午後の記者会見で「0.75%の利上げは積極的に検討されていない」と発言したのは記憶に新しい。
すると、NYダウは全銘柄が急速に上昇し、今年最大の上げ932.27ドル(2.81%)高となった。この時点でもまだ、パウエル議長はハト派に見えた。
しかし翌5日のNYダウは1063.09ドル(3.12%)安と、終値ベースの下げ幅としては2020年6月以来、約1年11カ月ぶりの大きな下げとなった。結局のところ、市場はパウエル議長の言葉とは違う、心の内を見透かしていたのかもしれない。
直近の6月15日のFOMCは、1994年以来となる0.75%の利上げを決定。パウエル議長はすっかりタカ派に変わっていた。そして、NYダウは17日に年初来安値に陥ることとなったわけである。
日経平均の週足チャートから見えてくること
さて、この流れの先がどうなるのか。3万ドル割れから3万1500ドルに戻ったNYダウはどこへ流れていくのだろうか。パウエル議長の再度の心変わりを先読みしたものだろうか。
とにかく直近までのアメリカの市場はほぼ弱気一色で、強気派はウォーレン・バフェット氏だけ、などといわれてきた。だが、逆にいえば、たまった弱気エネルギーは爆発すると大きいはずだ。
日本市場もほぼ弱気一色になっていた。日経平均株価も割安感のある「予想PER(株価収益率)12倍」が9営業日も続き、最近では強気派さえ、「いずれ日本も金利は上がる。金利高を考えると、割安基準の12倍は今後11倍、または10倍台まで下がるかもしれない」などと、弱気なことを言い始めていた。
とくに6月10日からの急落は、強気派の気力を打ち砕くに十分な下げだったといえる。一時は戻したものの、20日までに日経平均は2500円近い下げとなった。
これを週足チャートで見ると、昨年10月第1週の3万円台からの急落場面に匹敵する大陰線となった。この後、日経平均は下げ続け、結局2万7000円前半までの約3000円安となり、その後の「上がりにくい日経平均」の原因を作る2週間となった。
だが、今回は6月21日の475円高もあり、2週連続安とはならなかったのは大きな違いだ。前週の安値を下回る下ヒゲつきの陽線で、週足チャートとしては27日以降に期待できる足となっている。
折しも、アトランタ連銀の4~6月期実質GDP見通し(GDPナウ)が1~3月期比で年率0.0%となり、景気後退期入りといわれる2期連続マイナス成長の可能性が高まっている。そんな弱気一色の中で起きた大幅反発。株価の先見性が試される。
(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
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