子に「スマホを渡す親」と渡さない親の決定的な差 「デジタル機器」との上手な付き合い方とは?

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口座から引き落とされる金額が毎月同じなので気づかなかったのですが、使用したパケット量を確認すると、定額サービスに入っていなければ月70万円分ものパケットを使っていることがわかりました。

この親は、メール機能を使うことくらいしか想像できなかったのでしょう。

実際は、動画、音楽配信、ゲーム配信、アダルトサイト、出会い系サイトなど、スマホを好き放題活用している実態があきらかになりました。そもそも、メール機能だけならどんなにたくさんメールのやりとりをしても、定額料金サービスに入る必要などないでしょう。

パケットの使い放題や、電話のかけ放題などの定額料金サービスを子どもに利用させるということは、スマホを使いたい放題にさせることにつながるのです。

子どもに「使いすぎるなよ」と言いながら、「使いすぎても大丈夫サービス」に入らせる親は、完全に矛盾しているわけです。とてつもない料金が請求される心配はなくなりますが、子どもがスマホ依存になる心配をしなければなりません。

結局、これも目先のお金の心配を優先した親の行く末なのです。
先ほどのお母さんもお金のことを心配していました。しかし、問題はお金のことではなく、わが子がスマホをこんなに頻繁に使っていることを、親がまったく想像できなかったことにあります。

子どもは親を揺さぶります

小学校高学年、中学生くらいになると、子どもは親に揺さぶりをかけるのが飛躍的にうまくなります。

「今どきケータイをもたせないなんて、お母さんは時代遅れだよ!」
「娘の私を信じてくれないわけ?」
「僕に恥をかかせるつもり? みんなもってるんだよ!」
「お母さんは使ってるのに、ずるいよ」
「学校の帰りにちかんに襲われてもいいって言うわけ?」
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このような言葉にぐらつく親は、日々のあらゆることでも、子どもに主導権を渡してしまっているのです。

「主導権は親がもっています」とか言いながら、結局は子どもを追いだす勇気もなく、むしろ子どもに家出でもされたら困る親たちなのです。

子どもはそんな親の弱さを容易に見ぬくようになるのです。「家出なんかしないで」と思っている親なら、子どもが「家出してやる!」と脅してきたら、なんだかんだ交換条件でも提示して、結局は子どもが最初に要求したことを認めてしまうのです。

およそ、多くの現代日本の親はこういうタイプばかりと言えるでしょう。

奥田 健次 専門行動療法士、臨床心理士

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おくだ けんじ / Kenji Okuda

兵庫県西宮市出身。学校法人西軽井沢学園創立者・理事長。桜花学園大学大学院客員教授。法政大学大学院、愛知大学、早稲田大学など非常勤講師を歴任。一般社団法人日本行動分析学会理事、日本子ども健康科学会理事など。発達につまずきのある子とその家族への指導のために、全国各地のみならず海外からの支援要請にも応えている。2018年に日本初の行動分析学を用いたインクルーシブ教育を行うサムエル幼稚園を開園。著書に『拝啓、アスペルガー先生』(飛鳥新社)、『叱りゼロで「自分からやる子」に育てる本』(だいわ文庫)、『メリットの法則-行動分析学・実践編』(集英社)など多数。https://kenjiokuda.com/

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