子に「スマホを渡す親」と渡さない親の決定的な差 「デジタル機器」との上手な付き合い方とは?
どうやら、アンちゃんのスマホは外出時用に母親から借りたもののようでした。ノンちゃんのスマホは自分専用のもののようでした。その後、2人は座席に座りました。アンちゃんはバッグから取りだした文庫本を読み始め、ノンちゃんは、ひたすらスマホを触っていました。
高校生や大学生になって初めてスマホを触った人は、自分がスマホ依存になったことに気づきやすいものです。
しかし、小学生の頃からスマホをもっていると、依存しているかどうかが気づきにくくなります。気づいたとしても、依存症はかんたんに治せるようなものではありません。
自分専用のスマホをもっていないアンちゃんは、誰に教えてもらったわけでもなく、ネット依存のリスクをそう自覚していたようでした。
親は使い方までは監視できない
警視庁の調査研究によれば、多くの親は子どもに「家族との連絡のため」を理由に携帯電話やスマホを与えています。しかし、実態は「友人とのメールやSNSのやりとりのため」に使われているということがあきらかにされています。一度もたせてしまうと、親は使い方までは監視できないのが実情です。
私の研究室の実態調査では、こんな事例もありました。
長期不登校の高校生の息子をもつお母さんから、「息子が部屋で何をしているのかわからないんです」と相談を受けました。子ども部屋にはパソコンはないといいます。
「スマホを使っているのでは?」と聞くと、お母さんは「スマホはそれほどではないと思います」と答えました。
念のために子どものスマホの契約書を見せてもらうと、パケホーダイ(定額料金サービス)に入っていました。
これは、スマホをいくらネット利用しても月々の料金は同じというサービスです。毎月の支払いは親がしていました。
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