子に「スマホを渡す親」と渡さない親の決定的な差 「デジタル機器」との上手な付き合い方とは?
続いて中学生になったマオ君の話をします。
マオ君がノートパソコンに向かっているときに、母親がリビングを掃除し始めました。母親の角度から画面が見えるような場所にくると、マオくんが画面を隠したそうです。学校から与えられた課題をやっていると母親は思っていたようですが、どうやら動画サイトを見ていたらしいのです。
このように、オンラインは親子間で隠し事がやたらと増えます。なんでもかんでも隠し事がダメとまでは言いませんが、隠し事と嘘がやたらに増えてしまうことは間違いありません。
「角度を決めて使うこと」
デジタル社会でパソコンやタブレットを単に遠ざけることは、私はほとんど不可能だと思っています。
そこで、家族共用のパソコンやタブレットを子どもが使うときは、時間と場所、さらに「角度を決めて使うこと」を推奨しています。自分専用の端末がほしければ、さっさと自立して家をでて行けばよいのです。
「角度までルール化」というアイデアは、なかなか思いつく親はいませんでした。
「パソコンを操作する際は、かならず親が見える角度に置いて使用すること」
このルールを私のアドバイス前に実践していたのは、25年間で、たった1家族だけでした。
少し考えてみると、職場で仕事中にパソコンを使用しているとき、同僚や上司らが後ろを通りかかると、その画面を隠すような社員がいることに思いあたるでしょう。たしかにそこには「やましさ」や「隠し事」があるのでしょう。それは、人の目や会社で働くべき時間を「盗む」行為でもあります。
私個人の経験では、子どもには専用のタブレットやスマホなど、オンラインにつながるものを安易に渡すことはしないほうがよいと思っています。
現在、私は小学校を設立しようとしていますが、思いっきりITを使ったプログラムを用意する予定です。
それでも、児童に自分専用のオンライン使用できるデバイスを自由に使わせるかというと、そうはしないと思っています。個人用のデバイスを思う存分使用する機会は学校の中でつくりますが、かなり制約をつけた管理をすることはまちがいありません。そのほうが、よほどトラブルに巻き込まれることなく、安心安全です。
少し感心したことがあります。たまたま東京都内で電車に乗る列に並んでいた際、小学校高学年の女子2人がスマホを触りながら話しているのが聞こえてきたのです。その内容が次のとおりです。仮にアンちゃんとノンちゃんと名前を付けておきましょう。
ノン「え? なんで? 便利じゃん」
アン「便利すぎて、なんだかスマホ中毒になりそうだもん」
ノン「そんなことないんじゃね?」
アン「私はママのを借りるのでいいわ」
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