「国防上も重要」鳥取県知事が説く地方鉄道の意義 平井伸治・全国知事会会長に直撃インタビュー

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――しかし、一方で北海道では北海道新幹線の並行在来線である長万部-小樽間140.2kmの廃止の方針が決定されるなど、今回、斉藤大臣に宛てた緊急提言の内容と真逆の動きをしています。

整備新幹線は国土開発の重要な手段として位置づけられているが、並行在来線がJRから経営分離されることに対して、在来線を残しながら新幹線を整備する方策はないのかと疑問を持つ人は多い。

北海道新幹線の整備についても、北海道と首都圏を行き来する旅客を高速で結ぶことがポイントなのであり、貨物列車の迂回ルートを確保する国土強靭化や国防、地方創生の観点からは、並行在来線を廃止することが正しいのか疑問の余地はある。また、問題意識も持っている。

都道府県は市町村と協力すべき

――北海道では北海道庁が沿線自治体の首長に対して鉄道路線の維持のために自治体の財政規模を超える過大な地元負担額を要求し、鉄道の維持を強引にあきらめさせようとしているという実態がありますが、広域自治体である都道府県は本来どのような役割を果たすべきなのでしょうか。

広域自治体である都道府県として必要な姿勢は、地方創生を進めていく上で問題意識を持ちながら、基礎自治体である市町村に対して協力をしながら話をまとめていくことになる。

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ローカル線の今後を考える上では、旅客だけではなく貨物列車の運行を考えることも大切だ。たとえば、支線においても貨物輸送を充実させれば、そこにつながる幹線路線の輸送力はおのずと高まる。そうした理由から現在のように幹線路線以外の貨物をトラックに積み替えて輸送することはナンセンスだと考えている。

日本の国益の観点から鉄道ネットワークの維持を図るため、特にローカル線問題については都道府県が市町村に対して果たす役割が重要になる。

櫛田 泉 経済ジャーナリスト

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くしだ・せん / Sen Kushida

くしだ・せん●1981年北海道生まれ。札幌光星高等学校、小樽商科大学商学部卒、同大学院商学研究科経営管理修士(MBA)コース修了。大手IT会社の新規事業開発部を経て、北海道岩内町のブランド茶漬け「伝統の漁師めし・岩内鰊和次郎」をプロデュース。現在、合同会社いわない前浜市場CEOを務める。BSフジサンデ―ドキュメンタリー「今こそ鉄路を活かせ!地方創生への再出発」番組監修。

 

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