フランスのマクロン大統領、議会選挙敗北の打撃 「革命」から「停滞」へ、国内外で発言力は低下へ
4月の大統領選挙で再選を果たしたフランスのマクロン大統領を待ち構えていたのは、国民議会(下院)選挙での歴史的な敗北だった。
6月12日と19日に行われた国民議会選挙では、マクロン大統領を支持する統一会派「アンサンブル」が改選前から100議席以上減らし、議会の過半数を失った。代わりに大きく議席を伸ばしたのが、左派統一会派「新人民環境社会連合(NUPES)」と極右政党「国民連合」だった。
左右から挟み撃ちされたマクロン陣営
前者の左派統一会派は現状に不満を持つ若者から熱狂的な支持を集める極左政党を率いるメランション氏が、伝統的な左派政党や環境政党とともに結成したものだ。後者は、2017年に次いで大統領選挙の決選投票でマクロン氏と対峙したルペン氏が率いる。
NUPESは改選前から議席を倍増させ、国民連合は80議席以上を積み増し、結党以来で最多の議席を獲得した。左右両極に位置する両勢力はいずれも反マクロン改革を旗印に、物価高騰による国民生活への打撃軽減や年金支給開始年齢の引き下げなどを掲げ、フランス国民の支持を集めることに成功した。
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