もっとわかる!「イエベ・ブルベ」色を楽しむコツ 「感性・感覚」を軸に、心に響く色を設定する

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その一例となるのが、「ブリリアントホワイト」と「ピュアホワイト」だ。これらは古典的な色名辞典には掲載されていないが、感性や感覚への訴求力が抜群に高い。

・「ブリリアントホワイト」がもたらす感覚的な印象
…キラキラ輝く・透き通った・凛とした・強い意志をもって輝く人
・「ピュアホワイト」がもたらす感覚的な印象
…純粋な・ナチュラルな・ありのままの・自然体であることを大切にする人

自社製品の「白」にどのようなネーミングを付けるかを考えることは、訴求したいターゲットに「いかに響かせ、気に入ってもらえるか」を考えるということだ。

ふたつの色を比較すると、やや青みを帯びているのが「ブリリアントホワイト」だが、ここでは、ネーミングが発する世界観が、いかに製品の魅力とマッチしているかが大切なポイントとなる

「かわいい色」って何?

最後に、筆者の体験談をお伝えしたい。大学や各種専門学校などで約30年間にわたり「色彩学」を教える仕事をしてきた。

『毎日楽しい! 色の日めくり配色帖365』(SBクリエイティブ)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

学生は圧倒的に女性が多い。そして、色名を学ぶ回では必ずと言っていいほど目をキラキラと輝かせ「○○色がかわいい」「○○色と○○色は少し違うけれど、私は○○色のほうが断然好き」といった反応がある。色彩学のクラスだからか、教室内では「このペンケース、色がかわいいから衝動買いしちゃった」といった雑談もよく聞かれる。

学生たちと少し距離を置いた視点から、「かわいい色って、何?」と自問自答してきた私の結論はこうだ。

・「かわいい色」とは、その人の感性に響き、感情を揺さぶる色である

・「かわいい色」は、好きな色と結びついている場合が多く、人はそれを目にすると心地よさや楽しさを感じる

・「かわいい色」は周期的に変わることがあり、揺れ動く

食べ物・飲み物に関連する色名は、「かわいい色」と認識されることが多い
女性のニーズが高い、パステルカラーやフロスティカラー(近年のファッション分野で「くすみカラー」と呼ばれるグレイッシュな色の一種)

カラーネーミングに心血を注ぎ込むことは、ある色をステキに、かわいく見せるための手段であり、ビジネス的にとらえれば、ヒットをうみだす重要な要素のひとつと言える。

街を歩いていて、聞いたことのない「色名」に出会った時は、マーケティング的な視点からも観察してみると、多くの発見があるのではないだろうか。

桜井 輝子 東京カラーズ株式会社代表取締役

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さくらい てるこ / Teruko Sakurai

1967年生まれ、東京都出身。東京カラーズ株式会社代表取締役。日本色彩学会正会員、色彩検定協会認定色彩講師、インテリアコーディネーター。人に役立つ色彩提案、企業研修やカラーコンサルティング、大学・専門学校での色彩学講師、色彩教材の企画制作など、色にまつわるさまざまな分野で活躍。2014年に日本人として初めてスウェーデン国家規格ナチュラルカラーシステム(NCS)の認定講師資格を取得し、普及に努めている。色彩や配色に関する著書・監修書はこれまでに23冊を数え、中でも『配色アイデア手帖』シリーズ(SBクリエイティブ)は、累計39万部を超える圧倒的な人気を誇り、全世界で翻訳され、親しまれている。

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