「原子力潜水艦は持つべき?」与野党9党首の答え 維新、国民、N党「賛成」、自民、立憲など「反対・慎重」
山口那津男氏(公明党代表):岸田首相が言ったように現実的ではない。原子力船「むつ」の開発は失敗した。原子力を推進力とする船を開発・維持するには膨大な金がかかる。制度的にも平和利用という大前提があり、国民の理解を得て行うことは難しい。多くの武器の搭載が可能だが、どういう武器を載せてどう使うかは全然決まっていない。障害がたくさんあり、現実的ではない。
志位和夫氏(共産党委員長):反対だ。ロシアの蛮行に乗じて大軍拡の大合唱が起こっているが、軍拡で平和が守れるか。日本が軍拡で構えたら相手も軍拡を加速させる。軍事対軍事の悪循環に陥ってしまう。軍事費(防衛費)を2倍にするという議論もある。自民党は公約で対GDP比2%ということも言っている。そうなると軍事費を5兆円増やすわけだ。財源をどうするのか。消費税でまかなうとしたら2%以上の増税になる。医療費にかぶせようとしたら、医療費の窓口負担を倍にしなければならない。現実はいま3割負担だから6割負担にしなければならない。これどうするのか。暮らしを押しつぶすことになる。この軍拡の議論、どういう規模でやるのか、財源をどうするのか、岸田首相はぜひ国民にはっきり示して欲しい。それを示すことなしに白紙委任であとは勝手にやるよというわけにはいかない。私たちは(防衛費対GDP比2%に)反対だが、もしそれをやるというのなら、きちんと審判を仰ぐべきだ。
防衛費の増額と財源
松山キャスター:岸田氏は「防衛費の相当な増額」を表明したが、防衛費増額の必要性の根拠は何か、財源をどうするのかという意見がある。どう考えているのか。
岸田氏:NATOの防衛力、対GDP比2%という方針も念頭に置きながら5年かけて防衛力を抜本的に強化する。ただ、数字ありきではないということは再三申し上げている。この厳しい安全保障環境の中で、現実的に国民の命を、暮らしを守るために何が必要なのか、この積み上げを行っていき、そのうえで予算と財源、この3つをセットで考えていくと申し上げている。年末までに国家安全保障戦略等をしっかりと見直して行く。その議論の中で、この3点セットで示して行く。これが政府の考え方だ。
福島瑞穂氏(社民党党首):原潜を持つことには反対だ。今でも防衛予算は5.4兆円、補正予算を入れると6.1兆円だ。5.4兆円の文教予算よりも多い。どんどんどんどん軍拡して行くことは問題だ。敵基地攻撃能力保有、防衛予算10兆円、沖縄・南西諸島における自衛隊配備とミサイル計画、原潜など、これまでの政府の主張を全部覆していっている。日本は海外に武器を売らない国だった。日本の軍需産業をどんどん育成すべきだとなれば、まさに軍事大国。武器を売って金儲け、世界で戦争が起きることを望むような国になってしまうのではないか。もし防衛費を11兆円にすれば、世界3位の軍事大国だ。今でも20位の中に入っているがアメリカ軍の駐留もあり、ダントツの軍事大国だ。軍拡競争していくことに反対だ。平和の構築こそすべきだ。