リスクシナリオはバーレーン、サウジへの飛び火、目的が経済的要求から政治・宗教へ変化《アフリカ・中東政情不安の影響/専門家に聞く》
バーレーンには一応、議会があるので、議会シーア派の発言力を高め、民主化を進める形でのソフトランディングができるかだが、王制はスンナ派であり、その存続にシーア派が納得するかどうかという問題になる。
サウジアラビアはバーレーンと高速道でつながっている。宗派対立以外に、スンナ派の間で王族支配に対する不満が高まっているという問題もある。議会もなく公務員の職などは王族関係者が独占し、一般の人々の生活は非常に貧しい。
バーレーン、サウジアラビアに飛び火すれば、イランとイスラエルの対立が中東戦争に発展する可能性もまったくないとは言えない。
--世界経済に与える影響をどう見ていますか。
リビアはもはや政権崩壊すると見られ、原油価格が急騰した。リビアから原油を輸入しているのは中国と欧州。中国は消費を抑えることなど到底できないので、他からの調達を図る。しかし、サウジアラビアが増産すれば、これはカバーできる。
サウジアラビアに波及したら、カバーできないので、収拾がつかなくなる。欧州はアフリカへの投資も活発で、チュニジアからの部品輸入なども盛んであり、影響は出るが、そのインパクトはそれほど大きくない。やはり、中東に波及するかどうかが大問題だ。中東には日本も含め、各国が投資もしている。
(大崎 明子 =東洋経済オンライン)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら