W杯イヤーに苦戦するサッカー日本代表の現在地 超満員ブラジル戦が人気回復の起爆剤になるか

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実際、2020年8月に現役を退いた内田は、「報道ステーション」のスポーツキャスターに就任し、新型コロナワクチン接種を勧める内閣府政府広報CMに抜擢されるなど、現在も八面六臂の活躍を見せている。彼のような頭抜けたスター性やカリスマ性を持ったタレントが今の20代前半の世代には少ない。バルセロナの育成組織出身でレアル・マドリードからマジョルカにレンタルされている久保建英も日本代表では期待されたほどの活躍ができていない。やはり新たなスターの出現は急務の課題なのだ。

JFAとしても、彼らの魅力を伝えるべく、情報発信に力を入れている。公式ユーチューブチャンネル「JFA TV」や公式TikTok「jfa_samuraiblue」での動画配信はその一例だ。

ユーチューブの方はコロナ禍真っ只中の2020年10月に「日本代表 Team Cam」の大幅リニューアルを実施。代表選手やチームに密着したドキュメンタリー映像を配信するようになった。当初は連日で、時間も20~25分だったが、徐々に改善が進み、現在は10~15分程度のコンパクトな映像を数日に1回、流す形に変更している。

さらにこの6月シリーズからは、W杯に向けた選手同士の本音対談のスタート。同じ欧州で生き抜く原口元気(ウニオン・ベルリン)と堂安律(PSV)のトークは反響が大きかった。といっても、パラグアイ戦後の舞台裏動画でも再生回数が17万回(6月9日時点)とまだまだ少ない。数字引き上げのさらなる工夫が求められるところだ。

TikTokの方は、本田や内田、香川ら人気の高い代表OBのショート動画を中心に定着を図っている。彼らをフックに、現代表への関心度を高めるのが狙いなのだろう。周知の事実だが、TikTokは10~20代のユーザーが圧倒的多数。その世代をいかにして取り込むか。そこにはJFAも特に力を入れている。

若年層取り込みに本腰を入れているJFA

「我々は目下、16~22歳の男女をターゲットに設定し、彼らとどのようなつながりを持つかという新たな課題に取り組んでいます。この年齢層は次世代のファンであり、我々のパートナー企業のターゲット層でもある。デジタルと相性がよく、施策のPDCAサイクルを回しやすいという特徴もある。その3要素を満たす人々なんです」とマーケティング本部の髙埜尚人本部長も説明していた。

若年層取り込みの一環として、この4月からは中央大学と連携し、「JFA×中央大学・アスパス!協働プロジェクト」もスタートしている。国際経営学部で年4回の特別講義を設け、同大学出身の元日本代表・中村憲剛(川崎FRO)をプロジェクトリーダーに任命。4月18日の第1回講義では、彼と学生が熱心に話し込む姿も見られた。「90分間でなかなか点が入らないスポーツは長すぎて見ていられない」「サッカーはコスパが悪い」などという反応には、中村憲剛も頭を抱えていたが、現実を知らなければ、何も始まらないのは確かだ。

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