コロナ時短命令「違法」判決が示す過料制度の欠陥 グローバルダイニングの請求そのものは棄却

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コロナ時短命令の「違法」判決を伝えるグローバルダイニングの長谷川耕造社長(右)と代理人の倉持麟太郎弁護士(左)(写真:中尾謙介)

【2022年6月10日10時30分追記】初出時、東京地方裁判所の判決を受けた東京都の対応について、事実に誤りがありましたので、内容を見直し、再配信します。お詫びするとともに、引き続き正確な記事の配信を心がけます。

新型コロナウイルスの感染対策で、特別措置法に基づき、東京都が出した営業時間短縮命令は「違法」とする東京地方裁判所の判決が出た。

この裁判は命令を受けた飲食チェーンの「グローバルダイニング」が、命令は憲法に違反するなどとして、都に損害賠償を求めたもの。5月16日に判決が言い渡され、東京地裁は命令を出す必要があったとは認められず「違法」と判断した一方で、都知事に過失があるとまでは言えないとして、グローバルダイニング側の賠償請求を棄却していた。グローバルダイニングは判決を不服として即日控訴した。

判決を受けて、小池百合子東京都知事は「命令は専門家から妥当との意見を得て、国とも情報を共有しつつ発出したもので、都としては感染防止対策上、必要かつ適正なものであったと認識している」とコメントした。

時短命令を受けた大半がグローバルダイニングの店舗

昨年改正された新型コロナウイルス対策の特別措置法は、都道府県知事が感染症のまん延を防止するため、飲食店などに営業時間の短縮や休業を要請できると規定している。正当な理由なく応じなかった場合は「特に必要があると認めるとき」に命令を発出できると定め、それでも命令に従わないと過料を科すことができる。

東京都は新型コロナウイルスの感染が拡大した「第3波」で緊急事態宣言が発出中だった2021年3月18日に、午後8時までの時短営業の要請に応じなかったとして、飲食店27店舗に全国で初めての時短命令を出した。このうち26店舗が、グローバルダイニングの運営店舗だった。

その後も5店舗に命令が出されているが、それでも32店舗中26店舗がグローバルダイニングだった。同社では命令に従って営業時間を短縮。「営業の自由」を認めた憲法に違反するなどとして提訴していた。時短命令をめぐる司法判断ははじめてだった。

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