止まらぬ「円安」で広がるイギリスとの"絶望格差" 「為替レート=国力」の視点で円安を捉え直す

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

為替レートは、経常収支や金利水準をはじめ、さまざまな要因で決まるので、説明はなかなか難しいのですが、「中長期的には為替レートは『国力』を反映する」との原則に基づけば、ポンドの強さは、イギリスという国の強さ、言い換えれば、世界がイギリスという国の価値を評価した結果と言えるでしょう。

「為替レートは国力」という視点を

政策の一手段としての「円安誘導」自体を否定するものではありませんが、より中長期的観点から、日本もこの「為替レート=国力」という視点をもう少し取り戻すべきです。

自国通貨が安ければ、国内の不動産はもとより、有力な企業、果ては、労働力まで、諸外国から買いたたかれ、国内で生活していても、輸入品を中心に物価はあがり、海外旅行や留学もままならない、といったことになります。人材面でのネガティブな影響は、国の根幹にもかかわります。

「50年ぶりの円安水準」という現実をもっと真剣に受け止め、今こそ、中長期的観点で、国として何を目指すべきなのか、何をすべきなのかをしっかり議論すべき時と思います。
 

武居 秀典 DIC インテリジェンス室長

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

たけい・ひでのり / Takei Hidenori

一橋大学卒業。三菱商事で主に調査・分析業務に従事。調査部長や北京現地法人社長を歴任。ロンドン、NY、北京などに計14年間駐在。2023年大手化学メーカーDICに移籍。

 

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事