ムーディーズが日本国債の格付け見通しを引き下げ方向に、菅政権の内外の混乱を注視

ムーディーズが日本国債の格付け見通しを引き下げ方向に、菅政権の内外の混乱を注視

2月22日、ムーディーズが現在Aa2の日本国債の格付け見通しを安定的からネガティブ(引き下げ方向)に変更した。

担当アナリストのトーマス・バーン シニア・ヴァイス・プレジデントは、2月9日に日本のソブリン格付けの当面の見通しについて会見を開いたばかりだった。9日には、長期と短中期のさまざまな日本国債の抱えている課題、格付けの下押し材料に触れたものの、その時点の見通しはまだ「安定的」であった。

それから、2週間でネガティブに変更したポイントは、発表文のなかにある「政府は6月に包括的な税制改革を導入する意向である。しかし、野党自民党が参議院議席の多数を占めるねじれ国会の状況と、菅首相に対する政治的な圧力が高まる中で、政府の取り組みが行き詰まる可能性がある」というくだりだ。

バーン氏が、「6月に発表される予定の”税と社会保障の一体改革”の内容と実現可能性に注目している」としているのは9日時点と同じだが、22日の会見では、これに加えて、「政治のトップに安定性がないと年度をまたいだ効果的な財政運営はできない」「政情不安、政権指導部の不安定性が高まり、政権の継続が危ぶまれることは下押し圧力」とコメントした。

民主党内には増税論議そのものに反対が多く、小沢一郎氏を巡る争いも16人が会派離党届を出すなど、混乱状態にあり、首相退陣や解散総選挙も浮上する有様。

今回は、ムーディーズの基準で言えば、「格下げ方向で見直し」という3カ月以内の格下げを示唆したものではなく、「1年から2年内の見直しの可能性」に該当するものだが、バーン氏は将来の格下げアクションにつながる要因として「政府が包括的な税制改革を実行できない場合」をあげており、状況によっては、6月よりも早いアクションがとられる可能性がある。

なお、ムーディーズと並ぶ大手格付け会社のS&Pは既に日本の国債の格付けを今年1月27日にAAからAAマイナス(見通しは安定的)に引き下げている。

ムーディーズは今回の日本国債の見通しのネガティブへの変更とあわせて、13の政府系発行体の格付け見通しや12の地方自治体、メガバンクグループの格付け見通しもネガティブに変更している。

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