功労者「サンドバーグ氏」退社が示すメタの現在地 フェイスブック時代の「顔」が今秋去ることに
フェイスブックの創業者であるマーク・ザッカーバーグが、グーグルの役員だったシェリル・サンドバーグを自身のソーシャルネットワークに2008年に採用したとき、同氏を採用した理由を「フェイスブックと最も関連性のある業界での経験を彼女は持っているからだ。特に、私たちはグローバルな運営をする必要があることが理由だ」と話した。
当時、サンドバーグは次のように答えた。「また別の若い企業を世界のリーダーへと育てる機会を得られるのは、一生に一度のチャンスだ」。
このときザッカーバーグは23歳、サンドバーグは38歳だった。
次第に存在感は弱まっていった
ザッカーバーグがサンドバーグを仲間に引き入れたときの同氏の年齢と、ザッカーバーグは現在同い年である。フェイスブックは巨大企業へと成長した。そして、この1年で、ザッカーバーグはフェイスブックを新しい方向へと動かし始めたーーメタバースと呼ばれる没入型のインターネットの世界へ向けて動かし始めたのだーーさらに企業名もメタに変更した。
サンドバーグが任されていたものの多くをザッカーバーグが引き継ぎ新しい章に向けて会社を再編制したことで、52歳のサンドバーグは次第に存在感を弱めていった。
6月1日、サンドバーグは今秋にもメタを離れると発言した。メタは現在、インスタグラム、ワッツアップ、メッセンジャー事業も抱えている。実際には14年間務めたが、フェイスブックに勤めるのは5年程度になると予想していたとサンドバーグは話した。
同氏は今後、個人的な慈善活動や、同氏が設立した財団法人「リーンイン」に注力する予定であること、今夏にテレビプロデューサーのトム・バーンサルと結婚することを付け加えた。
「私はこの会社を信じている」と、メタの取締役にはとどまるサンドバーグは語った。「私たちはこれまであらゆることに完璧に対応してきただろうか? 間違いなくそうではない。私たちはこれまで耳を傾け、学び、成長し、必要なところに投資してきただろうか? メタチームはそうしてきたし、これからもそうするだろう」。