功労者「サンドバーグ氏」退社が示すメタの現在地 フェイスブック時代の「顔」が今秋去ることに

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サンドバーグは、以前にもフェイスブック退社をめぐって話題になったことがある。2016年、彼女は同僚に対し、もし大統領選で民主党候補のヒラリー・クリントンが勝利したら、アメリカ政府の仕事を引き受ける可能性が非常に高いと明かした。これは当時、サンドバーグの退社の動きについて、彼女と会話を交わした3人の人物が証言したものだ。

また、ケンブリッジ・アナリティカ問題と、ロシアによる2016年のアメリカ大統領選への干渉の問題が発覚した後の2018年、彼女は再び同僚に対し、退社を考えてはいるものの、会社が危機に陥っている時にそれはしたくないと明かしている。

容易ではないメタバースへの移行

ザッカーバーグは昨年、自社が新たな挑戦に出て、"モバイルインターネットの後継 "と呼ばれるメタバースに全力を注ぐと語っている。発表の場では、サンドバーグは顔を出す程度の出演にとどまり、ほかの幹部がより目立つ登場をしていた。

ザッカーバーグがメタバースに特化するために会社を大改革すると、サンドバーグの責任の一部はほかの役員に分散された。グローバル事業の担当役員で、元イギリス副首相のニック・クレッグは、かつてサンドバーグが務めていた同社のCOOに就任した。2月、クレッグはメタのグローバル業務担当役員に昇格している。

メタのメタバースへの移行は容易ではない。同社はメタバース製品に多額の費用を投じる一方、アップルが行ったプライバシーに関する変更により、ターゲット広告に打撃を受けたこともあり、広告事業が低迷している。2月には、メタバースへの移行に苦戦していることを示す決算を発表し、メタの市場価値は2300億ドル以上も急落。1日で最大の暴落となった。

サンドバーグは、メタは短期的な課題に直面しているが、過去の挑戦の時と同じように嵐を乗り切ると述べた。「上場当時は、モバイル媒体はなかった」と述べ、過去10年間に同社がデスクトップパソコンからスマートフォンへ急速に移行したことを引き合いに出している。「以前にも同じ挑戦をしている」。

また、2008年にフェイスブックに加わったことは、「生涯で最も名誉なことであり、光栄なことだった」ともサンドバーグは話している。

ザッカーバーグは、1日のフェイスブックへの投稿で、サンドバーグが自社の成功に欠かせない存在であったと述べている。「シェリルは広告ビジネスを設計し、優秀な人材を採用し、経営文化を鍛え、会社の運営方法を教えてくれた」。

さらに、「1つの時代が終わった」とも書いている。

(執筆:Mike Isaac記者, Sheera Frenkel記者、Cecilia Kang記者記者)

(C)2022 The New York Times 

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