30~40代から兆候も!「腎臓病」の知られざる怖さ 心臓病や脳卒中で死亡するリスクが高まる

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腎臓は、全身の致死的な病気と深い関係があるといわれています(写真:YOU/PIXTA)
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ソラマメのような形をした、地味な臓器――。腎臓をそんな存在と思っていた人も多いのではないか。しかし昨今、腎臓は全身の致死的な病気と深い関係があることがわかり、にわかに注目されている。

心臓病や脳卒中で死亡するリスクが高まる

まずはこのデータをみてほしい。腎機能が低下すると、心臓病や脳卒中で死亡するリスクが高まるということが、研究で明らかになった(図)。

腎機能が低下すると心臓病、脳卒中のリスクが上がる(出所:Lancet Volume 382,  2013, Pages 339-352)

なぜ、腎臓の機能低下が心臓や脳の病気と関連しているのか。その理由には、腎臓の「糸球体」と呼ばれる毛細血管の構造が関係する。

日本腎臓病協会理事長で、川崎医科大学(岡山県倉敷市)腎臓・高血圧内科学教授の柏原直樹さんは、「糸球体は、脳の血管と構造が似ています。糸球体に問題が起こっているということは、すなわち、脳内の血管も同じように問題が生じている可能性が高い」と言う。

全身は血管でつながっている。1カ所で起きていることは、ほかの場所でも起きていておかしくないということだ。心臓に関しても同様に構造が似ており、腎機能が落ちている人ほど狭心症や心筋梗塞、心不全に陥りやすい。

つまり、腎臓は”脳や心臓の状態を表す鏡”のような臓器といえるのだ。

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