精神科医が警鐘「マスクを外すのが不安な人々」へ 脳や自律神経、肺などに問題が生じる可能性も

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そこで、「怒り」は、人に当たること以外の方法で、小出しに発散するのが、現実的な制御法になります。コロナ下で、どうすれば怒りを含めた負の感情を制御できるか、そのノウハウをいくつか紹介してみましょう。

1.カッときたときは、とりあえずマスクを外してみる

感情が高まっているときは、おおむね呼吸が浅くなり、脳が酸素不足の状態に陥っています。すると、怒りのブレーキ役である大脳皮質が、酸素不足からうまく機能せず、アクセル役の扁桃体ばかりが働いて、怒りがエスカレートします。

そこで、カッときたときには、人前を離れて、マスクを外して深呼吸するといいでしょう。そうして、大脳皮質に新鮮な酸素を送り込むのです。そうすれば、やがて大脳皮質が働き出して、怒りをコントロールする理由付けが行われ、感情がおさまりはじめるはずです。

2.コロナ下でも「○○すべき」とは考えない

自粛警察官の例からもわかるように、「偏った正義感」は怒りの温床です。「大勢で会食をしている奴がいる」「大規模イベントに参加した奴がいる」。──そんな理由を見つけては、「けしからん」と1日中、神経をたかぶらせ、イライラし、怒っているという状態にもなりかねません。

偏った正義感は、おおむね「○○すべき」という考え方が生み出します。だから、なるべく「○○すべき」とは考えないようにしましょう。

とくに、新型コロナは、まだまだわからないことが多いウイルスであり、その対策は矛盾したり、後手に回ったりしがちです。人々の行動も首尾一貫しないものになりがちです。それをいちいち批判していては、コロナウイルスに呼吸器をおかされる前に、脳が変調を来すことになってしまいます。

3.怒りを消すために、体を動かす

「許せない」ことがあり、時間が経っても、怒りが消えないときには、「散歩」に出るといいでしょう。歩くことは、最も手頃で安上がりな気分転換法です。歩くと足を使うため血流がよくなり、脳内にリラックス効果をもたらすα波が現れます。

新型コロナの影響で外に出にくい人は、室内でスクワットしたり、腹筋運動をしたりしてもいいでしょう。とにかく、「許せない」という怒りには、体を動かしてみることです。

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4.「許せない」と思ったときは、とにかくその場を離れる

アメリカ第3代大統領のトーマス・ジェファーソンは、「腹が立ったら10数えよ。それでもおさまらないなら100数えよ」と言ったそうです。実際には、人前で100まで数えるのは難しいでしょうから、頭にきたときは、とりあえず手洗いにでも行って、その場を離れてみることです。

まずは、怒りの場を離れて、大脳皮質が辺縁系をおさえてくれるまでの時間を稼ぐのです。トイレに行って、手を洗い、うがいをし、歯を磨く。そうして時間を稼げば、大脳皮質が「まあまあ、落ち着いて」という指示を出してくれるはずです。

和田 秀樹 精神科医

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わだ ひでき / Hideki Wada

1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、浴風会病院精神科医師を経て、現在は和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わる。『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『80歳の壁』(幻冬舎新書)、『60歳からはやりたい放題』(扶桑社新書)、『老いたら好きに生きる』(毎日新聞出版)など著書多数。

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