ピアニスト「反田恭平」が飛び抜けている理由 新しい形でオーケストラを運営する意味とは?

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では今回BMWのブランド・フレンドに起用されたことに対し、反田氏はどのような期待を抱いているのだろうか。

「音楽なら音楽に懸命に打ち込むことでBMWのような車に乗れることを示して、若い世代の活力になればいいなという思いがありました」と反田氏。

というのも、フレンド契約の一環としてブランドの車両をレンタルできることも、氏にとって大きな魅力だったからだ。留学続きで免許を取得していなかった氏だが、すぐに免許合宿を受け合格。「運転経験があるのか」と教習所の教官に驚かれたほどスムーズだったそうだ。

ただ、氏の初見と暗譜能力の高さはよく知られており、例えばピアノ協奏曲なら2日程度で暗譜(譜面を見ずに演奏すること)してしまうという。記憶力と集中力、そして、頭の中にあるイメージを身体で表現するパフォーマンス力が傑出しているということだろう。その力が運転にも現れるのかもしれない。

「運転は自分に合っている」

現在は、「X7」という6気筒の4輪駆動車を乗り回している。一般に自家用としてイメージする車よりは一回り大きく、都内で乗りこなすためには発達した車幅感覚を必要としそうな車だ。

「免許をとったときに“クリープ現象”(ブレーキを放すとアクセルペダルを踏まなくても車が動き出すオートマチック車で起こる現象)に感動しました。そのぐらい、車のことは何も知りませんでした。でも運転は自分に合っていると感じます。職人が手がけた細かな部品から成り立っているという点は、ピアノと似通っているものがありますね。あと、具体的に音楽活動にも非常に役立っているんですよ。現代の日本で雑音のない環境ってなかなかないですよね。でも、車の中だとそれが可能。音楽を聴きながらスコア(総譜)の勉強をしたり、リハーサルのための最終チェックをしたりで車を活用しています」(反田氏)

このように、車というツールになじみ、音楽活動においてBMWを大いに活用している反田氏。ビジネス面での利点は別にしても、協業し合うコラボレーションというあり方に深く興味を抱いているそうだ。これは反田氏の「一人でピアノを弾くよりは連弾や室内楽で演奏したり、指揮者として多くの人と音楽をつくりあげることに喜びを感じる」という音楽面の性質とも通じ合う。

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