すぐキレる夫に離婚を切り出し…47歳妻の「結末」 夫婦生活7年、モラハラ男でも「結婚したかった」

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そんなとき、GoToトラベルを利用して出かけた旅先で、まさやに出会った。まさやと付き合うようになって半年後、あすみは夫のやすお(47歳、仮名)に離婚を切り出した。

「ブチギレて、私にすごい罵詈雑言を浴びせてくるのはわかっていました。殴られるかもしれないと覚悟もしていました。それまでは元夫が怖くて逆らえなかったんですが、愛の力は強いというか。とにかく付き合っている彼を失いたくなかったし、彼と結婚したい一心で自分を奮い立たせました」

実際に離婚を切り出すと、予想通りの修羅場となったが、あすみに手を上げるようなことはなかった。キレて暴れることは予想していたので、その音声の一部始終をスマホに録音していた。そして、ひとしきりキレた後はシュンとして大人しくなるのがいつものパターンだったので、そのタイミングを見はからい、まとめておいた荷物を持って実家に帰った。

「キレて罵詈雑言を私に浴びせていることは、それまでも都度、親に伝えていました。ただ、スマホに録音した音声を聞かせたら、あまりの汚い言葉に、父が『こんな男とは1日も早く別れろ。向こうが離婚をゴネたら、お父さんが弁護士でもなんでもつけてやる』と言ってくれて」

そこからは親も交えての離婚話になった。録音によってモラハラの事実がつまびらかになったからか、やすおはすんなりと離婚に応じたという。

「私たちには子どもがいなかったのもよかったと思います。子どもがいたら、それがまた離婚の歯止めになってしまったでしょうから」

離婚後、彼の態度がそっけなくなり…

ところが、離婚が成立し晴れて独身に戻ると、年下の恋人、まさやの態度が途端にそっけなくなった。

「私とは不倫の関係。それが嫌で、どうも内緒でマッチングアプリを始めたみたいで。そこで出会った女性とお付き合いが始まって、気持ちが移ってしまった。その女性は30代後半。彼は42歳だから、彼女となら自分の子どもも持てるし、家族が作れると思ったんでしょうね」

結局、まさやから別れを告げられて、その恋愛はあっけなく終わった。

「若い女性に心変わりした彼のことが、許せなかった。最初は彼を憎みました。でも、時間が経っていくうちに、“彼がいたから、元夫と離婚するエネルギーが出たんだな”と思うようになりました。相手がいつキレるかわからない。人格否定されるような言葉をシャワーのように浴びせられる。あの結婚生活が今でも続いていたらと考えると、ぞっとします」

そう話したうえで、あすみはしみじみとこんなことも語った。

「人間って、日々の暮らしがどんなにひどい環境でも、それが当たり前になってしまうと、そこから抜け出そうとはしないんですよね」

これは人間の特性だろう。脳は変化を望まない。置かれている環境を変えるにはきっかけが必要だし、大きなエネルギーを使う。だから、不満があったとしても、そこに居座ってしまう。

結婚して家庭という環境ができると、たとえ愛情がなくなっても、そこから夫婦生活を解消するまでには至らないで、仮面夫婦を続けていく。

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