東大生に超人気の講義「AI経営」を学ぶべき理由 「レベル1~2」の日本企業は逃げられない

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私たちは、経営判断のさまざまな側面でAIを活用し、ビジョンの策定からビジネス変革、イノベーション創出に結びつける方法論を「AI経営」として、クライアント企業への助言、支援を行っている。

具体的には、「AI経営」を実践する方法論を以下の6つのステップに整理している。

ステップ1:エリアを決め、ビジョンを描く
ステップ2:ロードマップを策定する
ステップ3:プロトタイプを作成する
ステップ4:データ基盤を構築する
ステップ5:AI・デジタルシステムを実装する
ステップ6:組織に定着させ持続的なDXを実現する

経営人材を育てる「AI経営寄付講座」

また、PwC Japanグループは、国立大学法人東京大学大学院工学系研究科が開講する「東京大学 AI経営寄付講座」にAI経営のナレッジを提供している。講義とワークショップにより、AIの基礎と、企業や特定の業界におけるテクノロジーの活用について、実務的な情報も踏まえて学べるカリキュラムとなっている。

東京大学工学部が培ってきたAIの社会実装へのインサイトに加えて、BXT(Business、eXperience、Technology)の考え方に基づき、業界・ソリューション別のビジネス動向と、AIが社会・ビジネスに与えるインパクトについて、さまざまな切り口から講義、議論している。

グローバルの世界では、AIとテクノロジーを武器に世界を席巻するデジタル企業が生まれているが、日本では教育分野における文系・理系間の壁が高く、理系学生の割合が世界的に見てもきわめて低くなっている。そのため、多くの学生はテクノロジーという武器を使いこなせるようになる前に社会に出ているのが現状だ。この講座は、AI・デジタルの力をビジネスに活かし、世界で戦える経営人材の輩出を目的としている。

アメリカでは、複数の大学でAI×経営の講義が始まっていて、すでに非常に人気の高い講座となっているが、「AI経営寄付講座」を受講する東京大学の学生たちと接していると、テクノロジーの吸収に非常に柔軟なことに驚かされる。

Q&Aやディスカッションでは、登壇したPwCのパートナーたちがたじろぐほど質の高い質問や、センスのよいアイデアが出てくる。AIと経営を結びつけていくことを、自分ごと化して考える。こういう人たちがこれから日本企業の経営に関わっていくと思うと、非常に頼もしい。

今、日本の経営、ビジネスに関わっている我々は、自分の知識を大きくアップデートして、これからも続くこの戦いに備えていきたい。

馬渕 邦美 PwCコンサルティング合同会社 マネージングディレクター

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まぶち くによし / Kuniyoshi Mabuchi

米国のエージェンシー勤務を経て、デジタルエージェンシーのスタートアップを起業、代表取締役社長に就任。事業を拡大しバイアウトした後、米国のメガ・エージェンシーグループの日本代表に転身、4社のCEOを歴任し、デジタルマーケティング業界で20年に及ぶトップマネージメントを経験。2018年にフェイスブック ジャパン執行役員ディレクター就任。現在、PwCコンサルティング合同会社のディレクターとして日本企業のデジタルトランスフォーメーションを実現させている。著書に『東大生も学ぶ「AI経営」の教科書』(東洋経済新報社)。

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