西新宿「ハイアット東京」、KKRが優先交渉権取得へ 日本の不動産投資に「外資ファンド」の大波続く

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老舗ホテルの買収に関心を示したのはもっぱら外資系ファンドだった(記者撮影)

小田急電鉄が保有・運営する東京・西新宿の大型ホテル「ハイアットリージェンシー東京」について、アメリカの投資ファンド・KKRが買収の優先交渉権を得たことが東洋経済の取材でわかった。

複数の関係者によれば、小田急電鉄は今春、ハイアットリージェンシー東京およびホテルを運営する子会社・ホテル小田急の株式、そして隣接するオフィスビル「小田急第一生命ビル」の売却をめぐる入札を実施。複数の外資系ファンドが参加し、このほどKKRが優先交渉権を得た。

買収価格はホテルと運営会社、オフィスビルを合わせて1400億円規模という情報がある。入札経過について、小田急電鉄およびKKRの広報担当者は、いずれもコメントを控えた。

コロナ禍で稼働が低迷

ハイアットリージェンシー東京の開業は1980年。「ホテルセンチュリー・ハイアット」の名で、アメリカのホテル会社・ハイアットとフランチャイズ契約を結んだホテル小田急が運営している。

2004年に大規模改修を実施し、2007年にハイアットリージェンシー東京へと名称が変更され、現在に至る。

コロナ禍での外出・渡航制限を受け、ホテルの全746室の稼働率は2020年度に11.7%、翌2021年度も22.5%と低迷している。運営を担うホテル小田急も2020年度決算で28億円の純損失を計上していた。

経営難に加えて小田急が新宿駅西口で予定する再開発の資金需要も踏まえ、2021年秋頃から売却を検討していた。2022年に入って実施された入札では、ブラックストーンやベインキャピタルなどの外資系ファンドが参加し、KKRが優先交渉権を取得した。

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