一般家庭もそうだが企業も金がなければ極端な話、破綻してしまう。そんな企業の財務健全性を示すのがネットキャッシュだ。現預金と短期保有の有価証券の合計額から、有利子負債と前受金を差し引いて算出する。企業の実質的な手元資金であり、これが多いほど財務的な安全性が高い。
東洋経済オンラインは約3700社以上の上場企業のネットキャッシュを割り出し、上位企業をランキングにしている。例年同じ内容のランキングを公表しているが、今回は地域別の上位企業をまとめた。東京都のランキングに続く第2弾として西日本に本社を置く上位191社を紹介する。
任天堂やキーエンスなど関西の有力企業が上位
西日本版の最新ランキング1位は任天堂(京都府)。ネットキャッシュの額は1兆7423億円だった。ランキング2位に入ったのがキーエンス(大阪府)の9299億円。3位がファーストリテイリング(山口県)の8069億円だった。
以降もトップ10圏内には、4位のパナソニックホールディングス(大阪府)、5位の京セラ(京都府)などと、有力企業が並ぶ。
覚えている人も少なくないかもしれないが、2008年秋のリーマンショック時に頻発したのが「黒字倒産」だ。決算上の業績は黒字なのに資金繰りが急速に悪くなった企業が何社も倒産した。逆にいえば、本業がいくら赤字であってもキャッシュが回り続けていれば、企業が潰れることはない。
一方で、ネットキャッシュが積み上がっていることだけを単純に喜べない。成長のための投資や株主への還元という意味で、手元資金を持て余しているという見方もあるからだ。それでは、西日本版のランキングを見ていこう。