中国鉄道メーカー、欧州で「車両契約解消」の衝撃 2年経っても運行認可出ず、今後の展開に暗雲

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アルミ製車体・連接構造の「シリウス」は全長111.2m。現有車両より若干長いことからプラハ中央駅のレオ・エクスプレス専用ホームは長さが足りず、出発信号機の閉塞区間にも干渉してしまう問題があったが、対応工事を実施し完了していた。すでに製造された3編成のうち、2編成がチェコのヴェリム試験場へ送られていたが、契約解消後も当面はヴェリムに残るとされている。

契約破棄となると、両社とも今後の計画を見直す必要に迫られることになる。まず、車両を発注したレオ・エクスプレスは、この新型車両の導入に合わせて運行本数の増大や運行区間の拡大を予定していたが、これらの計画はすべていったん白紙撤回することになる。

レオの株主にはスペインメーカー

気になるのは、レオ・エクスプレスの株式の55%を保有するのはスペイン資本で、その一部にはスペインの鉄道車両メーカー大手のCAF社が絡んでいる点だ。具体的には、スペインの鉄道会社Renfeが49.9%の株式を保有し、5%はスウェーデンに拠点を置くEuroMaint Gruppe(ユーロメイント)という会社が保有しているが、この会社は2019年にCAFが買収し、同社の100%子会社となっている。

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