日本の事業会社:11年の見通し--格付けの安定化は続くが、改善の速度は不透明/その1・概要《ムーディーズの業界分析》


 日本とオーストラリアを除くアジア地域は、GDPの実質成長率7.1%の伸びが続く(日本は1.5%)とされており、経済状況は強い状態が続くと考えられる。また、欧州での「二番底」不況はないであろう、とムーディーズは見ている。さらに、日本では金融緩和策が続き、銀行が事業会社に協力的であり続けるとの見通しが、安定化への傾向をサポートするであろう。

格付けの改善ペースは、日本企業がさらなる事業構造改革とコスト削減を行う成果にかかっている。事業環境が厳しい中、業績改善を続けるために、事業構造改革とコスト削減は不可欠である。

ネガティブの格付け見通しを持つ発行体のうち、予想どおりに利益率が改善し財務レバレッジの低下が継続する企業は、格付け見通しが安定的に戻るであろう。これに対し、リスクとなる要因としては、円高が日本企業の競争力の障害となっていること以外に、海外事業の拡大のためのM&Aや設備投資の増大、あるいは株主還元の増加等が挙げられよう。

個別の主要業種に関していえば、概してセクターアウトルックは安定的であるが、鈍い国内成長や不透明な経済政策/財政政策、また特定のセクターには過剰生産能力の問題といったネガティブな要因がある。

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●2011年の見通し

経済の概観

ムーディーズは11年の世界経済に関して、「釣り針(フック)型)」のマクロ経済シナリオが最有力と見ており、米国に続いて欧州が回復に向かうものの、その回復速度は鈍いであろうと見ている。日本の経済成長率は1.5%にとどまると見込んでいる。一方、景気後退の「二番底」は予測していない。

アジアは11年も実質GDP7.1%成長が見込まれ、数少ない成長地域の1つである。ムーディーズの前回の経済見通しのとおり、金融危機で減速したのちの同地域の主要経済は、10年に中期的成長ペースに戻った。

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