「おしっこ」は、ある程度我慢したほうが体にいい 病気の判断は「色」に注目、「臭い」ではわからず
――「尿の回数が多い」のはどうでしょう?
尿の回数が多い「頻尿」は病気のサインになる場合が多いです。ただ、単に排尿の回数が多いだけの場合は問題になりません。排尿の回数は尿の量によって決まりますから、飲水量が多ければ多いほど、尿の回数や量が増えるのは当たり前。
そこで泌尿器科医が重視するのが、「尿意切迫感の有無」と「1回の排尿量」の2点です。
トイレに駆け込まないと漏れそうになる尿意が何度も小刻みに訪れるにもかかわらず、1回の排尿量が少ない。これは「過活動膀胱」と呼ばれ、膀胱がおしっこを貯蔵する容量が少なくなってしまった状態です。
原因は前立腺肥大症や過度なストレスのほか、間違った排尿習慣なども考えられます。
おしっこを我慢することはカラダにイイ⁉
――「間違った排尿習慣」といえば、やはり「我慢のしすぎ」とか?
それが違うんです。よく「尿を我慢すれば膀胱炎になる」という人がいますが、それには何の根拠もありません。なぜなら、尿は便と違って無菌ですので、いくら我慢しても感染症の原因になることは考えられないからです。
膀胱炎になってしまった女性の場合は、尿を我慢することはよくありませんが、健康な男性であれば、むしろある程度我慢したほうがいいかもしれません。
ちょっとでも尿意を感じたらすぐにトイレに行ったり、尿意がないのに時間を決めて頻繁にトイレに通ったりしていると、膀胱の容量がどんどん小さくなっていってしまい、結果的に過活動膀胱になってしまう可能性があるんです。
――おしっこはある程度我慢したほうがいいとは、目からウロコでした!
膀胱は筋肉でできているので、ちゃんと尿を貯めて伸縮させて、しなやかさを保つことが大切。しっかりとした尿意を感じてから排尿するよう心がけましょう。
「排尿は毎日、一生涯行なう人間の生命活動のひとつ。正しい尿の知識と排尿習慣を身につけることは、生活の質を高めるうえで重要なことです」と三浦先生は語る。
さぁ、今日も体に異常がないか、おしっこをチェックしよう。
(取材・文/押条良太)
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