「おしっこ」は、ある程度我慢したほうが体にいい 病気の判断は「色」に注目、「臭い」ではわからず
――では、逆に朝イチのおしっこが「透明」ということは……?
あまりよくありません。前述した抗利尿ホルモンの分泌量が、加齢や生活習慣の乱れなどによって低下していることが考えられます。
そうなると、睡眠中もどんどん尿が作られるため、色も薄く透明になるんです。また、夜間に何度も排尿のために起きる「夜間頻尿」という症状の原因にもなります。
「赤」「白」「濃い黄色」はカラダの警告ランプ
――では、いちばん危険なおしっこはどんな色ですか?
もっとも危険度の高いサインは「赤」です。ピンク、赤、赤味がかった黒の場合、血尿の可能性が高いでしょう。これは腎臓から膀胱や尿道のどこかで、出血が起こっているということ。
血尿には大別して2つのケースがあり、「痛みを伴う血尿」と「痛みを伴わない血尿」があります。このうち痛みの伴う血尿では、尿路結石や前立腺炎、尿道炎(性病)などの感染症が疑われます。
一方の痛みを伴わない血尿は特に注意が必要で、腎臓や腎盂、尿管、膀胱、前立腺の悪性腫瘍の可能性があります。
いずれにせよ、赤い尿が出た場合は、速やかに泌尿器科医に相談してください。
――ほかに危険な色は?
白っぽく濁っている尿の場合は、性感染症による尿道炎、具体的にいうと淋菌性尿道炎、クラミジア性尿道炎、マイコプラズマ性尿道炎の可能性があります。また、前立腺炎などの尿路感染症や尿路結石の場合も白っぽい尿が出ることがあります。
また、「濃い黄色」「黄色がかった褐色」といった尿が毎回出る場合も要注意。これはビリルビン尿の可能性があり、肝臓や胆のう、膵臓に重大な病気がある場合に出ることが多いです。
ただ、こうした場合、皮膚や目の色に黄疸症状が起こって黄色くなるため、そちらの変化で異常に気付くケースがほとんどです。