原因不明の「急性小児肝炎」専門家が警戒する理由 まだ不明点が多いが、重度な肝炎の兆候とは

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今回の肝炎の症例はまだ少なく、不明な点が多いと専門家は強調した。

ボストン小児病院の感染症医リチャード・マリー博士は「パニックを起こさないことが大切だ」と語る。「ただ、さまざまな理由から、CDCが全米の臨床医に警戒を呼びかけることは重要だと考えている」。

アラバマ大学バーミンガム校公衆衛生学部の公衆衛生の研究者、バーサ・イダルゴ氏も同意する。「特にこの年齢層に患者が集中していることは、当然注視すべき事態だ」。

新型コロナとの関連性は「考えにくい」

アデノウイルスが原因になった可能性はあるが、関連性は証明されていない。医師らは、アデノウイルスの感染は小児によくあることで、この子どもたちは偶然ウイルスに感染した可能性があると指摘している。

現時点では、新型コロナウイルス感染症を引き起こすコロナウイルスとの明確な関連性はない、と専門家は述べている。 CDCによると、イギリスの子どもたちの何人かはコロナウイルスの検査でも陽性だったが、アラバマの子どもたちには陽性者はいなかったという。

ミルストーン博士は、コロナウイルスとの関連は「考えにくい」としつつ、完全に除外することはできないと述べた。 「その点には疑問符を付ける必要はある」という。

CDCは、医療提供者に対し、原因不明の肝炎の子どもたちにアデノウイルス感染の検査を行い、感染者数を保健当局に報告するよう求めている。

重度な肝炎の兆候としては、長引く発熱、激しい腹痛、黄疸(皮膚や目が黄色くなること)などがある。このような症状に気づいた保護者は、すぐに子どものかかりつけ医に相談してほしいとマリー博士は述べ、重症でも治癒すると付け加えた。

そして、今回の感染例の原因がウイルス性だと判明した場合は、コロナウイルスのリスクを減らすために多くの家庭で行われてきたのと同じ対策(手洗い、咳・くしゃみをまき散らさないことなど)が予防に役立つ。

(執筆:Emily Anthes記者)

(C)2022 The New York Times

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