転職の成功は「弱いつながり」人脈がもたらす理由 MBA流「人的ネットワーク」づくりの極意と事例
ここでは、各人それぞれのネットワーキング・レベルに合ったつながりの種類を紹介し、どのようにして「弱い紐帯」をつくり、活かしていくとよいかについて説明する。
グラノヴェター「弱い紐帯の強さ」理論
1970年代にマーク・S・グラノヴェターは「弱い紐帯の強さ」を提唱、論文の中で、つながりを「強い」「弱い」の2つに分けて論じた。
グラノヴェターが説いた「弱い紐帯の強さ」は、価値ある情報の伝達やイノベーションの伝達においては、家族や親友、職場の同僚のような「強い紐帯」よりも、ちょっとした知り合いや「知り合いの知り合い」のような「弱い紐帯」のほうが重要であるという理論である。
例えば、転職において「弱い紐帯」から得た情報で転職した人のほうが満足度が高いことがわかってきた。「強い紐帯」のネットワーク内の情報は既知のものであることが多く、一方で「弱い紐帯」から得られる情報は、求職者にとっては未知の重要なものであることが多いからだという。
「弱い紐帯」は「強い紐帯」同士をつなぐ「ブリッジ」として機能し、価値ある情報が広く伝わっていくうえで、重要な役割を果たすという。
新規プロジェクトやイノベーションの推進を目的とするときに、組織横断的なチームをつくったり、異業種から人材を集めたりするのも「弱い紐帯」によって新たな情報や多様な価値観がもたらされることが期待されるからだろう。
つながりの強弱の5つのレベル
ここでは、グラノヴェターの論を基本としつつも、「どのようなつながりを、意識的につくると自分の人生が豊かになるのか」という問いを深めるにあたり、「強い」「弱い」の2つではなく、「弱い紐帯」から「強い紐帯」まで、以下の5つに細分化した。
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ミートアップ・タイ
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トラスト・タイ
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サードプレイス・タイ
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ストロング・タイ(強い紐帯)
弱いつながりの中でも、会う頻度や共通点の有無などによって強い弱いの濃淡がある。5つのつながりが、どのような特徴を有しているのか、1つ1つ見ていこう。
1度会っただけ、もしくはSNSでつながっているだけの存在だが、互いの特徴(仕事・興味関心)をある程度認知しているつながり。相手は、自分が普段接していない情報を持っていたり、別のコミュニティに属したりしているため、新たな機会やアイデア・発見をもたらしてくれる可能性がある存在。
・イベントに参加した際に、名刺交換をした。お互いの仕事や興味がある分野について話をした。その後SNSでつながった。
・前職の会社の同僚。研修などで一緒になり、どんな仕事をしていたか、社内での評判などを知っていて、相手の存在を認識している。
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