タイ企業が日本人大学生求む--東洋タイコーポレーションが日本人新卒を定期採用へ
プラント大手の一角である東洋エンジニアリングが26%を出資するタイ企業、東洋タイコーポレーションが、今春から日本での新卒採用に乗り出す。
同社は、企業ミッション「インターナショナルな企業になる」の達成に向けた戦略の一環として、今年から積極的に東南アジアや中東、アフリカに支社を設けていくのと同時に、今春の新卒採用からタイ人100人のほかにも、日本から10人、東南アジアから10人の外国人を定期採用していく計画。これまで外国人の定期採用は行っておらず、外国人は全社約1,600人の中で日本人8人しかいなかった。
「外国人採用で日本人が多いのは日系企業だから。今後、日系企業としてタイ国外でのビジネスを拡大していくには、国際的な信用力のある日本人とタイ人をミックスアップするのがいいと判断した。給与水準の低い国で、国籍の違う者が融合できてこそ、本当のインターナショナル企業になれる。今回の取り組みは経営のチャレンジでもある」と入矢洋信・社長兼CEO(最高経営責任者)の言葉は力強い。
日本人新卒者の募集は、「理系の学生又は卒業生」「大学を新卒又は卒業後1年内」「入社時の語学力は問わない」「仕事内容は東南アジアやアフリカ、中東でのプラント設計」などが主な内容。
雇用条件については、現時点で詳細を公表していないが、初任給は、タイの安価な物価水準を基にしたタイ人新卒者のそれとは「異なったものにする」(入矢・社長兼CEO)。
また、採用活動は2月に募集、3月に東京で面接を予定。このスケジュールでは、応募者の多くは゛就職浪人候補゛や゛就職留年候補゛になるが、「就職難の時代だけに、就職が決まらないから良くない人物かといえば、そうではないはず。むしろ、そうした状況下にある彼らの“やる気”に期待している」(入矢・社長兼CEO)。