中国のアパレル大手の拉夏貝爾(ラ・シャペル)は4月14日、上海証券取引所から同社のA株(人民元建て株式)の上場廃止を決定する通知書を受け取ったと発表した。
拉夏貝爾は2021年まで4年連続で最終赤字を計上し、A株の上場廃止基準に抵触したためだ。これに先立つ3月30日、同社は上海証券取引所が同社株の上場廃止手続きに入り、3月31日から市場での取引を停止する旨の通知書を受け取ったことを明らかにしていた。
上海証券取引所の規定に基づき、拉夏貝爾のA株は4月22日から上場廃止の整理期間に入り、その満了から5営業日後に正式に上場が廃止される。
なお、拉夏貝爾の2021年の決算報告書によれば、同年の売上高は4億3000万元(約85億円)と前年から76.5%も激減、純損益は8億2100億元(約162億円)の赤字だった。2021年12月末時点の純資産は14億3100万元(約282億円)のマイナスとなり、債務超過に陥っていた。
9000店超の直営店が300店に激減
拉夏貝爾は1998年の創業後、ファストファッション、マルチブランド、全店舗直営などの戦略を掲げて業容を急拡大させた。傘下の代表的ブランドには「ラ・シャペル」「ピュエラ」「キャンディーズ」などがある。同社が経営のベンチマークにしていたのは、ファストファッションの世界的ブランドの「ZARA(ザラ)」だった
同社は2014年10月に香港証券取引所に上場した後、2017年9月には上海証券取引所にも上場を果たした。そして、資本市場から調達した資金の多くを店舗網の拡張に投入。その結果、2012年に3340店だった店舗数はピークの2018年には9269店に急増した。
だが、野放図な拡大路線が経営コストの膨張を招き、拉夏貝爾の純損益は2018年に赤字に転落した。それを機に、同社は一転して不採算店舗の大量閉鎖に乗り出したが、出血を止めることができなかった。2021年末時点で、同社の店舗はわずか300店しか残っていない。
(財新記者:孫嫣然)
※原文の配信は4月15日
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