日経平均「年内3万円超」の可能性は十分にある 日本株をめぐる「3つの霧」は5月以降に晴れる

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その後、4月13・14日の2日間で日経平均株価は急騰しており、FOMCでの利上げやQTの霧は、短期的には晴れてきた可能性もある。今後は5月3日・4日のFOMC会合で、さらにネガティブな内容でなければ、悪材料出尽くしとなり、はっきり霧が晴れることも期待できそうだ。

「業績下方修正の霧」も決算発表で晴れる?

最後は企業業績の霧だ。今回注目したいのは企業業績動向を知る1つの手がかりとなる「TOPIX(東証株価指数)のリビジョンインデックス(RI)」だ。

これは、TOPIXにおける経常利益予想(アナリスト予想)をもとにしたもので、上方修正された件数(銘柄数)と下方修正された件数(銘柄数)の比率を差し引いて算出される指数(インデックス)のことを言う。

このうち、月次RIは、上方修正件数が下方修正件数を上回るとプラスの値を取り、下方修正件数が上方修正件数を上回るとマイナスの値を取る。もし月次RIがプラスであれば、TOPIXの企業業績は改善する可能性が高く、マイナスであれば悪化する可能性が高いと判断できる。

月次のRIの推移を見ると、米中貿易摩擦の懸念拡大(2018年10~12月)により、2018年9月からはマイナスが続いた。WHOが新型コロナウイルスについてパンデミックを表明(2020年3月)した後の4月には-50%近くまで下落した。

だが8月に2018年の半ば以来となるプラスに転じ、それ以降は17カ月連続プラスが続いてきた。今年に入ってからは1月にマイナスに転じ、2月は良好な3Q(第3四半期、2021年10~12月)決算もあり+10.7%とプラスに戻ったが、直近の3月は+0.6%に低下。4月以降、再びマイナスとなる可能性も高まっている。

月次RIでもわかるように、当面のマーケットは、世界的な政治・金融・経済のさまざまな不確実性を意識した展開にならざるをえない。

足元の原燃料高やサプライチェーン混乱による自動車をはじめとする減産などを考慮すると、前年のハードルが高いQ1(第1四半期、4~6月)に続き、上期(4~9月)までは前年同期比マイナスもありそうだ。ただ、原燃料高の落着き、価格転嫁、半導体不足をはじめとするサプライチェーンの混乱の収束などから、下期以降は業績回復を期待したい。

こうしたなか、注目されている企業の新年度会社計画は、アナリストコンセンサスを下回る、保守的な予想になる可能性も想定される。

4月下旬からいよいよ国内上場企業(3月期本決算企業)の企業決算発表が本格的に始まるが、新年度の会社計画が下方修正されれば、短期的に株価下落の可能性もあるが、結局はそこで悪材料出尽くしとなるとみている。仮に①②の霧が晴れると、4月下旬から5月中旬の企業決算発表で、一気に霧が晴れる可能性に期待したい。

(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)

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