誤解されがち 「ミス日本」が考える美しさの本質 「努力と才能を競う」のはオリンピックと同じ

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── 昔ながらの良妻賢母ですね。

和田:はい。そのときの運営者が私の祖父なのですが、祖父は美人づくりの名士と言われていて、和田式ダイエットを提唱しており、コンテストはその発表の場という要素が強かったのです。

「内面の美」「外見の美」「行動の美」を一生涯かけて磨く

── なるほど。いわゆる外見的な美しさに重きがおかれていたわけですね。

和田:でも当然ながら美しさは外見だけで終わる問題ではありません。私たちは女性が日本らしい美しさを体得することで、成長し夢を叶えていくための機会を作っていきたいと考えました。そのためには時代の移り変わりや世相を反映した美しさのあり方についてもいろいろ考えてきました。

例えば、阪神淡路大震災後に行われたミス日本コンテストでは「心美人」を提唱していますし、東日本大震災後には「行動美人」というコンセプトがサブタイトルに加わっています。困っている人に心を寄せる、また思うだけではなく、行動できる人かどうかを問う、それが日本を代表するミス日本なのではないかと考えています。

(写真:椙本裕子)

── 時代が変わることによって美しさにも変遷があるわけですね。

和田:そして今、私たちが掲げているのは3つ、「内面の美」「外見の美」「行動の美」というものです。これを単にコンテストのためだけでなく、一生涯かけて磨いていくということを提唱しています。美しさというものは、他者に感動を与え、行動を変化させる力を持っています。将来の夢を見据えて自ら考え、心身を鍛錬し、行動すること。それが美しさの源泉だと考えています。

── それはどのようにして磨いていくのでしょうか。カリキュラムとかがあるのですか。

和田:大会の審査期間中、ファイナリスト(毎回12~14名)に選出されると、その方々は4カ月かけてみっちり勉強会に参加することになっています。そのテーマが先に挙げた3つなのです。

まず「内面の美」では、自分のルーツをしっかりと知り、足元を固めるということをやってもらいます。例えば育った環境や、両親や祖父母から受け継いだものなど、自分や家族の歴史を探り理解することで、自分の自信につなげていく。それに合わせ、国家のルーツも学び、日本の文化を知って、自分が何者かを知っていく作業をします。

「外見の美」では外見や姿勢、所作などといった結果に注目するのではなく、その過程をしっかり見ていきます。今の自分は、日々の選択で成り立っているわけです。休日の過ごし方1つにしても、自分で選択していることです。その選択を通じて自分をいい方向に持っていく、それを私たちは選択と鍛錬と言っています。

そして「行動の美」。何かの目標に向かってチャレンジしている姿は、それだけで美しいじゃないですか。目標や夢を持ったら実際に行動を起こしていくことに価値があるという考え方です。

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