百ます計算の陰山先生が「早期教育」に反対する訳 「失敗が怖い子ども」を育ててしまう可能性も

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親御さんはまず、ゲームや動画を見る時間は1日1〜2時間だと知ってください。これは子どもにとっては十分な時間で、少なすぎることはありません。

私の経験でも、1日1時間程度、自由に動画やゲームで遊べる時間をつくれば子どもは満足します。それに、勉強ができる子も結構ゲームをやっています。僕が出会った限りでは、やらない子はいないくらい。だから、ゲームをやることが問題じゃなくて、時間管理をしてあげないことが問題なんです。

子どもの才能は見抜けない

――子どもがやりたいことは積極的に応援したいと思っていますが、何も取り柄がないので将来が心配です……。

隂山:僕の教え子に1人だけプロ野球選手になった子がいます。小学生のときは普通の子でした。もちろん野球はうまいのですが、これといって目立つほどでもない。

スポーツは身体的な能力に大きく影響されます。身長、体重、筋肉の量など、どうしても生まれ持ったものがものを言う。だから、小学生の時点で目立った身体能力がないとプロは無理だと思い込んでいました。いま思えば、この考え方は間違っていましたね。

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そう思わされた出来事があります。以前、京都駅でタクシーに乗ったら、運転手さんがラジオでプロ野球中継を聞いていました。6月の交流戦で西武ライオンズ対広島カープ。僕も何気なく聞いていたら、「ピッチャー、藤原」というアナウンス。びっくり仰天です。自分の教え子がプロ野球の1軍の試合に出ていたんです。

急いで帰って、BS放送にかじりつきました。家でビールを飲みながら、教え子のピッチングを応援する。最高の時間ですね。そしたらなんと勝利投手になってしまった! そのとき心の中で思いました。「ごめん、藤原君。まさか君がそんなになると思っていなかった」と。

普通の小学生がプロ野球選手に憧れ続けていたら本当に夢が叶った。結局、好きなことをやり続けることが大切だとわかりました。「憧れ」が大事なんですね。いやあ、子どもの才能なんて見抜けない。

このことからの学びは、親は子どもが将来どうなるか、小1くらいであれこれ考えてもしょうがないということです。あれこれ考えて想像して悩むより、子どもの好きなことを思いっきりやらせておく。結局、それが一番だと思います。

子どもは急に成長します。だから、いま何かできなくても焦らないで、子どもを信じて見守りましょう。

隂山 英男 教育クリエイター、隂山ラボ代表

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かげやま ひでお / Hideo Kageyama

1958年兵庫県生まれ。岡山大学法学部卒。兵庫県朝来町立(現・朝来市立)山口小学校教師時代から、反復学習や規則正しい生活習慣の定着で基礎学力の向上を目指す「隂山メソッド」を確立し、脚光を浴びる。2003年4月尾道市立土堂小学校校長に全国公募により就任。百ます計算や漢字練習の反復学習を続け基礎学力の向上に取り組む一方、そろばん指導やICT機器の活用など新旧を問わず積極的に導入する教育法によって子どもたちの学力向上を実現している。近年は、ネットなどを使った個別の小学生英語など、グローバル人材の育成に向けて提案や実践などに取り組んでいる。

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