必要な資質や実績は?強み生かして働く「フリーランス教師」たちの本音 辞める前に知っておきたい独立の実態を暴露

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堤 真人(つつみ・まひと)
横浜国立大学院卒。青年海外協力隊を経て、11年間公立小学校教員を勤める。文部科学省英語教育推進リーダー、小学校英語教科書著作者、横浜市カリキュラムマネジメント策定委員などを歴任。モットーは、「温かい関わりの中で、子どもは育つ」。2020年3月に退職し、三重県にUターン。実家である浄土真宗高田派大仙寺の僧侶となり、子どもが生き生き学ぶ寺子屋を開設。ワークショップ専門のNPO法人WAKUTOKI副理事長。2児の父
(写真:堤真人氏提供)

田中先生 正規教員の最後の年は、ESD(持続可能な開発のための教育)で有名な横浜市立永田台小学校にいらっしゃいましたよね。

堤先生 はい。実は、その永田台小で地域学習に取り組んだことが、Uターンのきっかけになりました。地元を盛り上げる人たちに出会う中で「自分も生まれ育った所で活躍したいな」と思ったんです。当時から放課後の教育格差が気になっていて、「学校が終わった後の豊かな学び」に取り組んでみたいという思いが寺子屋につながりました。

もう1つ、40歳を目前にキャリアについて考えたとき、副校長や校長、教育委員会といった道には違和感があったことも大きいです。これからの人生は、誰もが自由に生き生きと平和に暮らせる社会の実現に使いたいなと思いました。この考えと仏教の教えはリンクしていて、導かれるように地元に戻った感じですね。

田中先生 お寺のお仕事と各活動の両立は大変ではないですか。

堤先生 お寺は父親と協力していますし、寺子屋やワークショップも趣味みたいな感覚でとても楽しいし、感謝しかないです。

田中先生 「子どもが好き」と仕事の両立は難しいと感じている教師は多いので、堤先生は本当に幸せな働き方をされているなと思います。さて、3人目にご紹介するのは、僕が今勤務する私立小学校の同僚、田中順子先生です。

順子先生 20年3月に公立小学校の教員を退職したので、フリーランスとしては初心者です。私も50歳を前にキャリアについて考えた時期があり、先が見えてしまったんですよね。新しいチャレンジをしようと退職を決めました。周囲からは「なぜ安定を捨てるのか」と言われましたが、一度きりの人生を後悔したくなかったんです。

田中 順子(たなか・じゅんこ)
公立小学校教員として29年間勤務。2020年4月より、学級経営、メンタルヘルス、生産性向上に関する情報発信をスタート。21年1月からはフリーランスティーチャーとして現場復帰。子どもたちと日々未知なることにチャレンジ中。日本イエナプラン教育協会イエナプラン専門教員、ワークショップデザイナー、マインドマッパー。現在、YouTube「junjunblog」、Podcast「“学ぶ”をHAVE FUN!!」で情報を発信中
(写真:田中順子氏提供)

とくに情報発信をしたいとずっと思っていました。実は、37歳の時に精神的にしんどくなってしまい、病休と休職を繰り返していた時期があったのですが、結果的にそれが教師としても人間としても大きく変わる転機になったと感じています。

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