実は、やっと3月に公立中学校の社会科担当で週12コマのお話をいただきましたが、条件が合いませんでした。テスト作成や採点などサービス残業ありきでの依頼だったので、ほかの仕事との両立は難しいと思いました。
田中先生 地域によっては、フリーランスで現場に復帰したくてもできない場合があるのですね。
フリーランスに転身するうえで「必須の資質やキャリア」
田中先生 読者の中にもフリーランスへの転身を考えている教員の方がいるかもしれません。皆さんは、フリーランスに必要な資質は何だと思いますか。
九貫先生 ポジティブに捉えてチャレンジしていこうという気概がある人は向いているのではないでしょうか。道を開いていくのは自分ですから。ただ、キャリア形成としては、正規教員の経験が少なくとも10年あったうえでフリーへ転身するのがいいと思います。
順子先生 そうですよね。すべて自分でやっていかなければいけないので、ゼロからつくっていくことにチャレンジしたい人が向いていると思います。また、私はフリーランスになってから異業種の人と交流できるオンラインコミュニティーに参加しましたが、趣味でも何でもいいので、教員以外の人と話せるつながりやスキルを独立前から持っておくといいかもしれません。
堤先生 フリーランスの資質は、飛び道具があること。何か自分で生み出していきたいのであれば、これだけは自信があるというスキルや分野を持っていないと誰も相手にしてくれません。オールマイティーに何でもできる必要はなく、何か1つでも特化してやってきたことは武器になると思います。
田中先生 お話は後編に続きます!
【フリーランスティーチャー座談会 後編】
早く帰る若手が許せない?「厳しい勤怠管理」以前にすべき重要なこと 教育計画や所見、風土など改善点は山ほどある

1978年生まれ、北海道出身。東京都の公立小学校教員として14年間勤務。2016年、主に病気休職の教員の代わりに担任を務める「フリーランスティーチャー」となる。これまで公立・私立合わせて延べ11校で講師を務める。NPO法人「Growmate」理事としてマーシャル諸島で私設図書館建設にも携わる。近著に『マンガでわかる!小学校の学級経営 クラスにわくわくがあふれるアイデア60』(明治図書)
(文:編集部 佐藤ちひろ、注記のない写真:田中光夫氏提供)
東洋経済education × ICT編集部
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