必要な資質や実績は?強み生かして働く「フリーランス教師」たちの本音 辞める前に知っておきたい独立の実態を暴露

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自分たちの常識が実は世間の非常識だった、なんてことはどの業界でもよくある話。学校現場でも、従来のやり方に固執してしまい、働き方や授業の改革が進まないケースも多いのではないだろうか。そこで本連載は、「ココを変えればもっと学校現場がよくなるかも!」といった提案を、田中光夫先生の“フリーランスティーチャー”ならではの視点でお届けする。第16回は、田中先生を含む4人のフリーランスティーチャーに「新時代の教員の働き方」をテーマに語ってもらった。フリーランスの実態や本音を、前編・後編で紹介する。

講座開催、寺子屋、情報発信と活躍の場はさまざま

田中先生 今回は、公立小学校の正規教員を経てそれぞれのスタイルで活躍されている3名のフリーランスティーチャーをお招きしました。「新時代の教員の働き方」をテーマにいろいろお話ができればと思います。まずは現在、どんな働き方をしているのかお聞かせください。では、僕が20年以上お世話になっている、サークルの先輩の九貫政博先生からお願いします!

九貫先生 フリーランスティーチャーになって5年目、現在は都内の3つの公立小学校で時間講師(会計年度任用職員)として働いています。並行して、教員向けの情報発信や講座開催、コミュニケーショントレーナー、小学生向け私塾運営なども行っています。昨年末に日本語教育能力検定試験に合格したので、今後は外国人を対象に日本語教育も展開する予定です。

九貫 政博(くぬき・まさひろ)
文部省(現・文部科学省)の在外教育施設派遣教員として在マレーシア日本大使館付属クアラルンプール日本人学校に3年間勤務、東京都教育委員会の「教師道場」リーダーを2年間担当するなど、東京都公立小学校教諭を30年間務め、2018年にフリーランスに転向。現在、小学校講師、教員指導講師、セミナー講師、コミュニケーショントレーナー、私塾運営などマルチに活動。マジック、音楽、イラスト、少林寺拳法など特技も多岐にわたる
(写真:九貫政博氏提供)

田中先生 なぜフリーランスになったのでしょうか。

九貫先生 もともとマルチに生きたいという思いはありましたが、教員生活30年目に「公務員としての教員はやりきったかな」という気持ちになったのが、独立を考えたきっかけです。また、ちょうどその頃、日本コミュニケーション能力認定協会の認定トレーナー資格が取れたんですよね。このスキルを先生や子どもたちにも広めていきたいなと思い、退職しました。

田中先生 九貫先生は趣味も多彩でさまざまな場で活躍されていますが、堤真人先生もいろいろな活動をされていますよね。

堤先生 僕は横浜市立小学校の教員を11年間務め、2年前に退職しました。地元の三重県に戻って実家のお寺の僧侶となり、探究活動を中心とする学童クラブのような寺子屋を開いています。現在、延べ50人くらいの子どもたちが参加してくれています。

また、大学のワークショップデザイナーコースで専門的に学んだことがあり、そこで出会った友人とワークショップ専門のNPOを立ち上げました。昨年は、企業や大使館の委託を受け、東北と米国の子どもたちをオンラインでつなぐワークショップなどを実施しました。そのほか、通訳をしたり、近所の学校で日本語指導の補助をしたり、英語関連の依頼にも対応しています。

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