正社員と非正規社員の「壁」が下がる?

企業業績回復で人材市場に変化の兆しが!

《若年者雇用実態調査(経済産業省/2013年)によると、非正規で現在、在学していない人に対し、今後どのような働き方を望んでいるかを問うと、約半数は「正社員として働きたい」と回答している》

という結果が出ているのです。

半数ということは、残りの半数は正社員で働くことを望んでいないということです。実際、非正規社員として働く方々に取材をしてみると、時間に縛られた働き方はしたくない、責任ある仕事には就きたくない、複数の職場で働いていたい――など、正社員になりたくない気持ちを話してくれた人がたくさんいました。

誰もが正社員になりたいということを前提に考えるのは、やや乱暴だと認識しておく必要があります。このことを踏まえて、本題へと進んでいきましょう。

企業業績の回復で、「壁」が下がり始めた?

非正規社員と正社員の高い壁について。壁が取り払われたとは言いません。ただ、企業の業績が回復しつつある現在でも、壁の高さは変わらないのでしょうか?

これまで本連載でも書かせていただいたように、非正規社員を除いた、正社員のみの有効求人倍率は1.0に近づく人手不足状況になりつつあります。この状況は、お互いの壁を下げるきっかけになっているのではないでしょうか。取材していくと、その気配を感じることができました。

非正規社員を正社員として採用する雇用転換が、サービス業、飲食業などで増加傾向にあります。昨年度、ユニクロがアルバイト1.6万人を正社員に転換することが話題になりましたが、実際、社内の非正規社員から正社員への登用制度を活用したキャリアパスを活性化するケースが増えています。

厚生労働省の調査によると、多様な雇用条件で社員を採用している企業のうち、約40%は非正規社員から多様な正社員への転換制度や慣行があり、約30%は転換実績がある、とのこと。また、その転換実績は増加傾向にあるようです。

紹介予定派遣はなぜ広がらない?

加えて、通常の採用活動で、非正規社員を正社員として採用するケースはどうか? その場合には

・適正、能力の判定

・職場への順応性

などを、正社員経験者より時間をかけて見極められるなら推進したいとする、やや慎重な回答が大半でした。非正規社員をいきなり正社員で採用するのではなく、「見極める機会」が必要ということのようです。

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