新社会人が赤っ恥をかかない意外な敬語のコツ 正しい敬語でも使い方次第で相手を不快にする

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「名前を言え」と要求するのは難しいものです。相手に失礼にならないような言い方であると同時に、タイミングも重要です。そのタイミングをはかるのも、敬意を示すことにつながっています。会話の冒頭は避け、自然に名前が相手から出なければ、どうしても必要になった時に、すかさず尋ねることです。

聞き方で注意したいのは、次のようなフレーズです。

「お名前を頂戴できますか?」

あちこちで聞く言葉ですが、抵抗を感じる人も少なくありません。「あなたに名前は言えるが、あげることはできないよ」と理屈を言う人もいます。「お名前を教えていただけますか」など、簡潔な言い方を基本としてください。

適切な敬語の使い方②:お客様、上司相手にツッコミ上手になる

漫才の役割分担を、「ボケ」と「ツッコミ」といいます。ボケがとぼけたことを言っていると、それに対して、言葉をさしはさんでいくのがツッコミです。この要領が、コミュニケーションにおいても大事になります。

お客様、上司、同僚など相手が話している時、何も口をはさまず聞いていると、会話がはずみません。聞き手が、何か気のきいたことをかえしていくと、会話ははずみます。

話を聞く相手が、お客様や上司だとしましょう。

「何言うてんねん」と言葉をかえしていくわけにはいきません。相手がお客様や上司ですから、より丁寧な表現が求められます。

「はい」だけでは、そっけないと感じるならば、「そうですか」と言えばよいでしょうか。いずれにしても、敬意や丁寧さが入っていません。

そこで、接客の場では、「さようですか」という言葉を使うことがあります。「そうですか」を文語表現にして、改まった印象を与えます。

では、これを丁寧な言い方にして「さようでございますか」はどうでしょう。

年配の方や女性が使うと、品のいい落ち着いたあいづちになりそうです。しかし、何度もこれをくりかえしていると、くどい印象を与えかねません。

ポイントは、同じ表現をくりかえすという行為です。丁寧なあいづちもくりかえし使っていくと、丁寧さ、品のよさが薄れていきます。

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