4月11日にオンラインで行われたアメリカのバイデン大統領とインドのモディ首相の会談は国際社会における今のインドの位置を象徴的に示していた。バイデン大統領がインドの対応について強い不満を持っているのは明らかだったが、それを口にすることは極力抑えた。
バイデン大統領は、「インドに特に何かをするように求めていません。すべてわれわれと同じことをできるわけではないことを理解しています」と切り出したうえで、「インドがロシアのエネルギーの輸入を加速または増加させるべきではない。アメリカはインドを支援する準備ができており、輸入の多様化についてインドとの話し合いを続けています」と述べた。
インドに対して原油などのエネルギーだけでなく、インドが多くをロシアに頼っている武器輸入についても協力する姿勢を示したのである。これ以上ないほどのリップサービスだった。
モディ首相はロシアを批判しつつも緊密な関係を誇示
これに対しモディ首相は「ウクライナのブチャで無実の民間人が殺害されたというニュースは非常に心配でした。私たちは即座に殺害を非難し、独立した調査を求めました」と、ロシアに対しても言うべきことは言っているというインドの立場を説明した。
しかし同時に、「ウクライナとロシアの大統領に電話で数回話し、二人が直接会談することを提案した」などとも述べ、プーチン大統領との頻繁な接触を誇示することも忘れていない。
首脳会談の直後には、アメリカとインドの外務・防衛担当閣僚級会合(2+2会合)も開かれ、両国の良好な関係が演出された。
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