インフレ迫るいま「株式投資が強い」と言える理由 「資産形成にとって恐れるべきリスクの1つ」

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インフレとはモノの値段が上がることですが、反面それはお金の価値が下がることを意味しています。同じパン1個が100円から200円に値上がりすれば、買えるモノの価値という点で、値上がり後の200円は以前の100円と等価値です。

つまり、1円あたりの価値は半分に下がったということになります。このように物価上昇率の影響を除いて、買えるモノの価値、すなわち購買力で測ったお金の価値を実質価値といいます。

ですから、例えばタンス預金は、一見安全なように見えて、インフレが生じるとお金の実質価値減少のダメージをもろに受けてしまいます。それに比べると銀行預金は利息がつく分多少はましです。

現在は銀行預金につく利息はないも同然ですが、インフレになれば金利も高くなるでしょうから、インフレによる実質価値の減少を多少はカバーしてくれるはずです。ただ、急激なインフレが生じたときにそれを十分埋め合わせてくれるかはかなり微妙です。

国債など債券になると、一般的には予想される将来のインフレ率を十分カバーできる水準に利回りが決まってくるはずなので、理屈のうえではインフレによる実質価値の目減りを埋め合わせてくれそうですが、やはり予想に反するインフレ分まではカバーしきれないという弱点をもっています。

株式はインフレに強い資産か?

一方、株式はどうでしょうか。株式投資の価値は何によってもたらされるかというと、まず第一に配当がありますが、もちろんそれだけではありません。企業の事業活動の結果、利益が上がると、税金や役員報酬を除いたものを株主に配当として還元したり、そうでない場合は株主資本に加えられたりすることになります。

企業の利益は、たとえ配当として支払われなくても、やはり株主のものであるはずの株主資本を増加させ、だから株価も上がると考えられるわけです。つまり、株式の価値は企業利益そのものから生まれるのです。

インフレが起きてモノやサービスの値段が上がれば、企業の利益も金額ベースでは増えるでしょうから、株価もその分は上がることが期待されます。

また、理論的には、株式投資の期待リターンは金利とリスク・プレミアムで構成されています。

金利は安全資産である債券に投資するときに得られるものですが、株式投資にはそれ以外に、リスク資産としての株式に投資することで得られる追加のリターンであるリスク・プレミアムが含まれるので、安全資産である債券に投資するよりも平均的に高いリターンが得られるはずということです。

このことは、株式投資そのものを考えるときにとても重要になる点ですが、株式投資がもつインフレに対する抵抗力の強さを説明する要因にもなります。

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