バフェットを「真似して投資する人」に欠けた視点 「信念」が伴わなければ儲けることはできない

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企業の危機対応のお手本とされる有名な事例として、製薬会社ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の“タイレノール事件”というものがあります。1982年、同社ドル箱の鎮痛剤タイレノールに毒物が混入され、死者が出たという事件です。

タイレノールは全米の店舗から撤去され、J&Jの株価は急落しました。その後、J&Jは見事な危機対応を行って短期間でこの危機を克服していくのですが、株式投資という観点で見れば、こうしたタイミングこそ優良株を割安に仕入れるチャンスです。

株価が急激に大きく売られ、相当割安な水準にまで売り込まれるようなケースでは、それだけチャンスも大きなものになるはずです。しかし、おそらくそうした状況ではその問題が一過性のものなのか、あるいは長期的、構造的なものなのか、にわかには見分けがつかなくなっていることが多いでしょう。だから株価は大きく売られるのです。

一方、問題が短期的に解決可能であると見込めるような場合には、株価の下落は限定的かつ短期的なものになり、チャンスもその分小さく短いものになります。

タイレノール事件に関していえば、株価は事件発覚直後に直近高値から19%下がりましたが、J&Jの迅速な対応ですぐに底を打ち、数週間で元の水準を回復しました。企業の対応力が優れていればいるほど、まれに起きるこうしたチャンスも小さく短いものなっていくわけです。

株価大暴落は千載一遇のチャンス?

優良企業に割安な価格で投資できる好機のもう一つの例は、リーマンショックのような市場の大暴落のなかに見いだすことができます。大きな相場下落が続くと、株価指数に連動する運用成果を目指すインデックスファンド(株価指数に連動されるように運用されるファンド)やETF(上場投資信託)から資金が流出し、指数に含まれる優良銘柄も十把一絡げに売られます。

ほかの銘柄で生じた損失を穴埋めして現金を確保するために、保有している優良株を売らざるをえない状況に追い込まれる投資家も少なくないでしょう。ですから、10年か20年に一度起きるような株価の大暴落は、優良株を割安な価格で購入する千載一遇のチャンスでもあるわけです。

バフェットの素晴らしい投資成績の要因は、優良株に限定した銘柄選びもさることながら、バブルと感じられる時期には株式の購入に慎重になり、大きく株価が下がった局面では着実に株式を買っていくという投資タイミングの選び方も大きく貢献していると思われます。

たしかにこれが実行できれば、優良な株を割安に買い、それが大幅に高値になるときまで待つことができます。ですが、現実にそれを行うことは簡単なことではありません。

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