台湾鉄道が「名物列車の置き換え」を急いだ事情 課題の「民営化」へ車種整理でシンプル化図る
3月28日、台湾鉄道(台鉄)は2021年末から運行を開始した日立製新型特急電車EMU3000型の増備に合わせ、ダイヤ改正を実施した。そして、この改正を機に2つの列車が引退を迎えた。1つは水色の鮮やかな塗装とダークグリーンの座席が特徴の客車列車で、近年は花蓮や台東を結ぶ東部幹線を走っていた「復興号」。もう1つは中南部を中心に活躍し、ボーダー柄のインパクトの強い様相から「赤いシマウマ」の名で親しまれたEMU1200型電車だ。
これらの引退に合わせ、台鉄は乗車証明書の配布や引退記念ヘッドマークの取り付け、記念乗車券販売などのプロモーションを実施。とくに、台北駅と花蓮駅で各150セット限定だった復興号の記念乗車券は徹夜での行列ができるほどの人気で、民衆からの関心の高さがうかがえた。
20年越しの課題「民営化」
国営である台鉄は近年の度重なる事故やトラブルを受け、
今回の改正も抜本的な変更とはならなかったものの、台鉄は1つの新しいマイルストーンと表現した。
郵便局やエネルギー各社が民営化を達成した中、台鉄の民営化は20年叫ばれ続けている国政の課題でもある。台鉄は今後どのように変わっていくのか、この改正で引退した優等列車の歴史を振り返りながら、今後の展開に迫っていきたい。
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