発足半年「岸田政権」支持率堅調も不安だらけの訳 参院選へ求心力が一気に低下する可能性も

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

政権発足半年での高支持率維持は、最近では小泉純一郎政権と第2次安倍晋三政権以来。両政権とも長期政権となっており、岸田首相サイドも「長期政権の環境は整いつつある」(側近)とほくそ笑む。

しかも、政権の命運が懸かる今夏の参院選も、野党の分断で自民有利の状況が加速している。政権にとって脅威だった日本維新の会の政党支持率もここにきて低落傾向が際立ち、与党内でも「保守層をかなり奪われても、保守中道層の多数が与党支持なら、プラスのほうが大きい」(自民選対)と自信を隠さない。

だが、参院選勝利での長期安定政権を狙う岸田首相も、次々に降りかかる難題への対応には苦悩している。コロナ新規感染者数は再増加し始め、感染症専門家の多くも、早期の大規模な「第7波」の襲来を予測する。感染拡大の原因とされる若年層へのワクチン3回目接種も順調には進まず、「爆弾を抱えた状態」(政府専門家会議幹部)だ。

早期の経済活性化はもはや期待薄

さらに、ウクライナ危機による原油価格の高騰も深刻だ。食料品を含む生活用品の物価高に直結しつつある。岸田首相は就任時に描いていた、「ウイズコロナ」による早期の経済活性化はもはや望み薄で、「目の前の課題への対応で手いっぱい」(側近)なのが実情だ。

その状況下、与党内で早期の大型補正予算案編成論が急拡大している。しかも、火付け役が菅義偉前首相だったことが党内政局絡みで波紋を広げた。菅氏は4月3日の民放報道番組で「月内に策定する緊急経済対策については補正予算も考えながら結論を出すべきだ」と主張したからだ。

岸田首相は緊急経済対策の財源は新年度予算の予備費を充当させる方針で、参院選前の補正予算編成・処理には慎重だ。これに対し、菅氏は「(予備費だけでは)少ない」と指摘し「やるからには思い切ってやったほうがいい」と早期補正編成の必要性を力説した。

これに呼応したのが山口那津男公明党代表。翌日の4日に地方遊説先で報道陣に「前首相の菅氏から声が出た意義は大きい。大きな与党の流れを政府に受け止めさせるよう働き掛けていく」と語った。

次ページ悩ましい補正予算のタイミング
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事