製造部門が「営業」の目標にムカつく納得の理由 組織間の摩擦を解決するにはどうしたらいいか

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組織の製造部門と営業部門が揉めやすいのはなぜなのか(写真:Shimi/PIXTA)
どんな組織でも、営業と製造の対立は存在する。無理な計画を立てる営業、堅実な売り上げ目標に固執する製造。果たして両者のわだかまりを解消する方法はあるのか。本稿では、『すごい需要予測』を上梓し、化粧品メーカーで需要予測を担ってきた山口雄大氏が、独自の視点から組織の課題を解決に導く方法を指南する。

需給調整がもたらす「混乱」

メーカーにおける組織間のコンフリクトでよくある事例として、営業部門と製造部門のものが挙げられます。私は社外のコミュニティで、さまざまな業界でSCM(サプライチェーンマネジメント)を担う実務家と話す機会が比較的多いのですが、このコンフリクトは本当によく耳にします。

日本では北米などと異なり、需要予測の専門家であるデマンドプランナーを配置している企業は少ないです。扱う商品数にもよりますが、少なくない企業で営業担当者が需要予測を担っています。また、一部の業界では新商品はマーケティング部門、発売後半年以上経過したらSCM部門で需要を予測するなどの分担をしています。

こうした役割分担の組織において、営業・マーケティング部門の需要予測や販売計画を生産計画へ連携していく業務を需給調整と呼びます。

販売計画をそのまま生産計画にできれば需給調整は必要ないのですが、工場の生産ラインや人員には限りがあります。現実にはさらに、メーカーの工場が原材料を仕入れるサプライヤーにおいても同様の制約があります。これらを無尽蔵に用意することは不要なコストをかけ続けることになり、ビジネスでは現実的ではありません。そのため、何をいつ、いくつつくるのかを調整する仕事が必要になるのです。

この需給調整が混乱する1つの主要因が、販売計画の変更です。急な増産依頼は人員の手配が大変ですし、生産ラインを共有する別の商品の生産時期を後ろ倒ししなければならなくなります。逆も問題で、急に減産となると生産ラインや人員が余ってしまいますし、すぐには必要のない原材料が納品されてしまいます。そのため製造部門は、なぜ営業部門の販売計画の精度が悪いのか、と感じている場合が多くあります。

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