北朝鮮は約4年ぶりに核実験を行う方向のようだ。経済制裁を巡り米国がロシアおよび中国と対立していることで、国連が北朝鮮に追加制裁を実施する可能性が低いことが背景にある。
東亜日報など韓国メディアの報道によると、過去6回の全ての核実験を実施した豊渓里核実験場で新たな通路を掘る作業が確認された。北朝鮮の最高指導者、金正恩朝鮮労働党総書記が故金日成主席の生誕記念日(太陽節)を祝う準備を進める中で核実験は来月にも行われる可能性があると、東亜日報は匿名の安全保障当局者を引用して伝えている。
北朝鮮が核実験場の修復作業を加速、4月実施の公算排除できず-報道
金総書記は「強力な攻撃手段」をさらに開発する方針だと米国に新たに警告したと、国営朝鮮中央通信(KCNA)が28日に伝えた。
金総書記は主要兵器の実験を約2年ぶりに再開する計画を示唆してきたが、ロシアのウクライナ侵攻を受けた対ロ経済制裁を米国が呼び掛ける動きを受け、こうした北朝鮮の挑発行為が制裁につながるリスクが低下している。国連安全保障理事会が追加措置を講じる場合はロシアのほか中国の支持が必要だが、中国はロシアを経済的に圧迫する米国の取り組みを批判する中心的な存在だ。