5年後、トヨタ最大の敵はグーグルになる 競争領域の“高次元化”が止まらない!

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現在の自動車部品メーカーは、事業ポートフォリオの整理の準備だけではなく、生産プロセスの見直しや資金調達での競争優位を高めなければならない。なぜか? 「バリューチェーンが短くなる」ことは、「ハードルが下がり、新規参入者が増える」ということを意味するからだ。

競争のルール自体が変わる?

自動車産業を取り巻く環境の変化はそれだけではない。「競争のルール」自体が変わりつつあるのだ。

これまでの自動車産業では、燃費や環境規制対応の分野で競争のルールが確立していた(上図の①)。そして、そのルールの中の勝者が日本の自動車メーカーだった。

しかし、その競争のルールが、ADAS(先進運転支援システム)をはじめとして、「ハードウエアとしての自動車の安全性をいかに担保することができるか」というものにシフトしてきている(②)。競争領域がシフトする際には、技術がきっかけになることが多いが、現在もそのパターンだ。そして、すでにその影響が表れている。

エンジンからトランスミッションなどを経てタイヤに駆動力を伝える一連の装置を「パワートレイン」と呼ぶが、これを得意とするドイツの自動車部品メーカー、ZFフリードリヒスハーフェンが、米国のTRWオートモーティブを買収すると発表している。TRWはエアバッグなどの安全技術を持っている。また、日本でもパナソニックが、スペインの自動車向けミラーメーカーであるフィコサ・インターナショナルへの出資を決定したりしているが、これも自動車の「安全性」に関する事業ポートフォリオ強化の目的によるものだと考えられる。

上図の②に関しては、もともと欧州を中心とした既存プレーヤーが先手を打っていた格好だ。BMW、ダイムラー、ボッシュなどをはじめとして、2003年にAUTOSAR(オートザー)という組織を設立し、車載向け基本ソフトウエアの標準化を進めている。

バリューチェーンの中で、安全性に関する自分たちの基準を国際標準にしようとする「デジュール戦略」を推し進めようとしているのだ。デジュールとは、国際機関などにより決められた“公式の標準”のことで、事後的な“事実上の標準”を意味するデファクトの対義語である。

その流れでイニシアティブをとるために、必要な技術や企業を買収したいと考える企業もあるであろうし、多額の研究開発費用を負担できずに売却しようとする経営者もいるであろう。まさに、現状の業界再編がそれだ。

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